カモシカ

 2023年度、77(78)期生による妙見夜行登山が実施できました。委員長をはじめとする妙見夜行委員の皆さん昨年上ったところから1年近く準備をし、リハーサルを経てのゴール、感激もひとしおであったのではないでしょうか。休憩所に到着するたびに、お借りした場所での清掃や行程の中で気をつける点、危険回避のために、前との間隔をあけないように歩くこと、近隣の方へご迷惑とならないように側溝を歩かない、私語厳禁などの伝達共有を欠かさず行っていました。また、交差点ごとに横断がスムーズに叶うよう案内をし、自分の隊列に戻るために全員が渡り終わったことを確認の後、懸命に走る。委員のみなさんの献身的な役割を果たす姿勢が、参加者一同の勇気を奮い立たせているように感じました。

 最後尾で歩く中、少しずつ、体調や足の状態によりリタイアを余儀なくされる参加者、その懸命に力を振り絞りながら歩く姿に力を添えながら、安全上、隊列を離れての歩行は避けなければならない点を説明しながら伴走する先生方とのやり取りは忘れられない大切な一ページとなっています。 

 山頂アタックの傾斜のきつさは群を抜いており、往路を歩いてきた疲れの中で登りきるには相当の体力と胆力が必要でした。登りきったところを本瀧寺のご住職が寒空の下でお待ちいただき一人ひとりに手渡された「運を開く」シールは節目、節目で皆さんを支えてくれる大切な道標となることでしょう。

 多くの方々にお世話になりました。各休憩所をご提供いただいた山手台、清渓、東能勢小学校のみなさま、低速でじっと走り続けた茨木交通のドライバーの皆さま、暖かい豚汁をふるまっていただきお出迎え、お見送りをしてくださったPTAの方々。一晩中の勤務してくださった先生方(学校で危機対応のために夜を明かしてくだった教頭先生)、そして家庭でお子様が歩く姿を想像しながら見守ってくださった保護者の皆さまありがとうございました。

 冒頭で述べた妙見夜行委員のみなさんお疲れさまでした。50キロを歩くだけでも大変なことなのに、あらゆることに気を配りながら無事に実施できたことに感服です。これからの人生の様々な場面でこの経験が生きることを心から願っています。生徒の皆さんお疲れさまでした。「笑顔が最高のエネルギーだ」とみんなが確認できた行事となりました。ありがとうございました。  

以下は最後の校長挨拶です。

 お疲れさまでした。60歳の私も完歩できました。その報告と告白をします。実は、年末入院、のどの手術をして一週間ほどほぼ寝たきりの状態となっていました。妻からは「妙見夜行登山は歩かないでね」という強いお願いがありました。筋力も体力も落ちている様子を見て当然の依頼です。先生方からも無理しないようにというお気遣いいただいているにもかかわらず60代(初老?)での挑戦、完歩となりました。60代の私でも「できるかもしれない」「やるしかない」という気力、胆力だけで達成することができました。10代のみなさんに不可能はありません。「~かも」「~しか」から可能性を見出し、様々なことにチャレンジしてください。