歩く。走る。詰まる。止まる。また走る。迷う。止まる。走る。信号や道路の状況に応じて、臨機応変に対応する。明りの全くない暗闇の中で空を見上げる。多くの人が気づいたこと、満天の星だ。生徒の皆さんの日常までは知り得ないが、自分自身は大阪で夜空を見上げる機会があまり持てていないと思う。これだけの星が輝いている。明るい街から見上げる夜空にあるこれだけの星が地上に光を届けていることに気づかない。
1時間から2時間歩く。絶妙な時間を経て休憩をとる。3つの小学校でトイレをお借りし、暖をとらせてもらう。各小学校の校長先生にお電話を差し上げた時に、非常に快く受け入れてくださり、なおかつ激励の言葉をいただいた。今のこの時代に差し伸べていただくお力にただただ感謝申し上げたい。
山頂での本瀧寺参拝、冷え込みの厳しい中、ご住職は先頭から最後に到着した生徒にまで一人ひとりにメッセージを手渡してくださった。
東能勢小学校で保護者の皆様にふるまっていただいた豚汁。そのもののおいしさ、あたたかさ、そして包まれるように、抱かれるように迎えてくださるその暖かさに心癒され、力を得る生徒たち。到着時には想像できないくらいエネルギーに満ちて再出発する姿は何かを乗り越えていくときに必要なものを示唆しているように感じました。
昨日、妙見夜行登山委員のメンバーが校長室を訪れてくれました。「他の妙見委員の皆さん、参加して一緒に歩いた生徒のみなさんが暖かく、やさしく、声をかけてくれたことが本当にうれしかったです。」というコメントをくれた。
「それは、先頭を歩き、最後尾で全体を見守り、一番に到着し、指示を与え、最後に到着しても、トイレの掃除を懸命にやり切っているあなたたちへ伝えたかった感謝の気持ち、あなたたちの献身的な姿に心射られた人ができる最大限のことが『かける言葉、寄せる思い』として伝えられたのだと思う。そのやり取りを様々な場面で見られたことに何よりも感謝の意を伝えたい。」とお伝えしました。
正しい答えが見つからないから「止まる」。まっすぐにたどり着かないから「曲がる」。だからこそ奏でられる曲があり、見える景色がある。
早い段階から足にアクシデントを抱えた生徒が、全身を使いながら完歩した。山道の車道、集団がばらけないように、うまく懐中電灯の明かりがつながるように歩いてくれた人、足を引きずりながらでも側溝で音が鳴らないように避けながら歩き続けた人、最後尾で横断を確認した後、全力で駆け抜けた人、体力が落ちている生徒の後ろを気づかれないように支えるように歩いていた人。多くの人の力添えがあった。
道を行きあぐねて止まったからこそ、照らしてくれている無数の星が届けてくれる明かりに気づけた。止まる勇気、待つ根気、数限りない有形、無形の多くのものを得た。
妙見夜行登山委員のみなさん、係をはじめとする付き添いの先生方、おなかを満たし、心を潤してくださった保護者の皆様、休憩所を提供してくださった小学校の関係者のみなさま、そして低速で、明りを照らし続けて、安全な旅をサポートしてくださったタクシーのドライバーの方々に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。