読書のすすめ4 教養としての経済学

blog160628 読書の薦め4 教養としての経済学.jpg 本校からは経済・経営・商学等の経済学系の学部へ進学する卒業生が多くいます。現在の19期生3年生の中にも、どの学部を受けるべきか考えている生徒も多いと思います。なかなか、大学で学ぶ内容を理解するのは難しいものです。中には、大学に入って受けた授業が、思っていたものと違うという感想を持つ人もいるようです。

 そうならないために、経済学系の学部への進学を考えている生徒の皆さんにお勧めするのがこの本です。執筆は、一橋大学の第一線の教員が担っています。経済学の入門書ではなく、経済学とはどんな学問なのか? 経済学的な発想とは? そのためにはどんな知識や経験が必要か? といったことを、一流の大学教員が、高校生や大学入学者を対象として書き綴っています。
 印象的だった内容をいくつか挙げますと、『経済学は、人々を豊かにするには、どうするべきかを考える学問だ。』とか、経済学の本なのに『英語の楽しみ』『数学の楽しみ』なども入っています。英語も数学も勉強して欲しいのですね。大学の先生も。

 とかく経済学ときくと、お金儲けが目的だと思いがちですが、それだけではないようです。最近、この本に触発されて、大学経済学部の教科書を何冊か読んだのですが、そこによくでてくるのは、"社会全体としての効用(満足度)は、増えるのか減るのか?"といった論理展開と説明です。たとえば、関税をかけると、需要供給はどうなって、結果として、だれが利益を得て、だれが不利益を被るか、だけど、国全体としては、効用(満足度)が上がるのか下がるのか? といった議論が多いようです。最近、イギリスのEU離脱が話題になっていますが、経済学の視点の有無が判断を分けるかもしれません。

 生徒の皆さんの進路を考える一助になればと思います。
 
 では、最後に
『onとoffを意識して』 頑張れ 今高生!