速度の合成則

 ちょっと問題です。図を見ながらお読みください。

問題:
 今、自分から見て、右へ光の0.8倍の速さでロケットAが飛んでいます。同じく自分から見て、同一線上を反対の左側へ光の0.8倍の速さでロケットBが飛んでいます。では、Aから見てBは、いくらの速度で離れていくでしょうか?

答え:
 光の0.8+0.8=1.6倍ではありません。正解は光の(0.8+0.8)/(1+0.8*0.8)=1.6/1.64倍で、大体、光の約0.98倍です。光の速度の1倍を超えることはありません。Aから見てというところがミソです。 実は、これは、アインシュタインの特殊相対性理論の結論です。Webで、"相対性理論、速度の合成"と検索しますと、公式や導出法が出てくると思います。

 不思議ですよね。でも、我々の住んでいる世界ってそういうところなんですね。
私、高校生時代、ブルーバックス等の新書サイズの科学書を良く読んでいました。『相対性理論入門』『マックスウェルの悪魔』『物理学はいかに創られたか』等が、好きでした。そして、上のような解説に出会った時に、え!、なんで!、本当? 私たちの住んでいる世界はそういう法則が支配する世界なんだ! って、感動したわけです。そんな気持ちからか、大学も物理系に進み、その後も長く物理に関係する仕事に携わってきました。 今高生には、小説、評論とともに科学書も読んで欲しいなあと思います。

 1年生、2年生の科目選択が始まります。 進路、そして将来に向けての大きな決断をしなければなりません。入学式で話しましたが、好きで得意なもの、みつかりましたか?

 では、最後に
『onとoffを意識して』 頑張れ 今高生!