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7月22日(金)1学期終業式をオンライン中継方式で行いました。

7月22日(金)1学期終業式をオンライン中継方式で行いました。

新型コロナウイルス感染症が現在急速に感染拡大しているために、安全を確保する観点から、体育館に3学年が入って終業式を行うことを避け、各ホームルーム教室のプロジェクターにオンラインで発言者の画像を映しながら、終業式を行いました。清水谷高校としては、この方式で式典をするのは初めての試みになりましたが、ICT部の先生方の尽力もあって、全ホームルーム教室で問題なく無事に終業式を行うことができました。

部活動で1学期にもらった表彰状についても、清水谷高校では初めての試みとして、スライドに表彰の内容を投影して紹介しました。従来の表彰状を校長が読み上げて改めて生徒に手交するやり方よりも、格段に時間短縮になり、表彰内容もスライドを見た生徒には理解し易くなったとの評価がありました。

校長の式辞や、保健部、進路指導部、生徒部、自治会執行部などからの話も、中継の画像がスクリーンで教室に投影されたことで、従来の放送だけで行うよりも分かりやすかったのではないでしょうか。

一人1台の端末が入り、グループウェアが利用できるようになって、式典などのやり方も新たな時代に入ったように思います。

終業式に当たって校長から生徒の皆さんにお話ししたメッセージは以下の内容です。

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生徒の皆さん、おはようございます。1学期の終業式の日を迎えました。皆さんにとってこの1学期は充実したものになったでしょうか。1年生の皆さんにとっては、初めての高校生活での1学期が終わりましたが、楽しいものになったでしょうか。

清水谷高校では、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しながら、体育祭を6月にフルバージョンで行いました。上手くいったこと、悔やむこと、成功、失敗、喜びや反省は、一人ひとり異なるでしょうが、競技や演技で生徒の皆さんが見せてくれた輝く姿は、強く印象に残りました。

昨日は、3年生が、「総合的な探究の時間」で、これまで積み上げてきた各班の探究の内容の発表を、1、2年生に対して行っていました。いくつかの班の発表を見ましたが、地球温暖化の問題や、貧困の問題、海の豊かさに関するプラステックごみの問題、生物多様性の問題、ジェンダー平等の問題など、SDGsの中で興味深い探究をして、プレゼンテーションをしていました。ジェンダー平等のことでは学校の制服の問題を取り上げているチームも、いくつかありました。清水谷高校としても、このことは考えていかなければいけないことだろうと考えています。

明日からは夏休みになります。個人的な経験からしても、約1か月の間をどう過ごすかは、人生の中で大きな節目になることがあります。漫然とではなく、何か目的をもって充実させてほしいと思います。

一方で今、世界の中で何故か日本だけ、殊に年齢の若い10代、20代の世代に多く新型コロナウイルス感染症の急激な感染拡大があり、この感染症の不思議で、また不安なところです。特に夏休みはお盆のある時期でもあり、帰省や旅行などで高校生の皆さんが媒介になって、感染で重篤な状態になりがちな高齢者に感染させたりするようなことのないように、是非配慮して行動してほしいと思います。

さて、今日は「やり抜く力」の大切さについて、先日PTAの会合で講師をされた7本指のピアニストとか、奇跡のピアニストともいわれる大阪府堺市出身の西川伍平さんのお話をしたいと思います。

プロのピアニストになるには、3~4歳から英才教育を受けるのが主流といわれる中で、西川さんは、15歳でピアノを弾き始めてピアノが好きになり、周囲から「15歳からピアノを習い始めて音大に入るのは不可能だ」と言われましたが、懸命に練習をして大阪音楽大学短期大学部に入学しました。

その後、大学に編入学しようとして2年連続で落ちてしまいます。親を安心させるため和菓子屋さんの「たねや」さんに正社員として就職し、デパートの食品売り場で和菓子を販売していました。就職後も演奏活動をしていたところ、アメリカの有名なピアニストの大阪公演の前座でピアノを弾くチャンスがあり、アメリカのピアニストたちからユニークな演奏を評価されて弟子になりました。ニューヨークで居候をしながら一日中レッスンや課題をこなしていたら、リンカーン・センターのホールでリサイタルを提案され、この公演が成功してスポンサーがついてプロのピアニストの道が開けました。

ところが、プロになって2年も経たないうちに、両手の指が思うように動かなくなるジストニアという病気にかかります。いくつか病院を巡って診察した5人の医師全員から「プロとしてピアノを弾くことはもうできない」と診断されました。それでも清掃員などの仕事を掛け持ちしながら必死に指を動かすリハビリをした結果、7本の指でピアノが弾けるようになり、プロのピアニストとして復活をします。パーキンソン病のマイケル・Jフォックスなどと一緒に行ったチャリティーイベントでは2億7千円ものお金が集まりますが、そのうちの1億7千万円を、自分にピアノはもう弾けないと診断した病院に寄付して、「患者を絶望させるようなことを二度と言わないように」伝えたそうです。

今では、リハビリで培った一音一音を大切にするユニークなスタイルの演奏で、カーネギーホールなどでも再びリサイタルをされるようになられています。

昨年の東京パラリンピックの閉会式では、それまで自分が念じていた夢が実現して、最終演奏者として「What a Wonderful World」を演奏し、テレビ中継を通じて世界で数億人の人々を感動させました。

何度も挫折しそうになりながら、自分の好きなやりたいことを努力を重ねて「やり抜く力(GRIT)」が成功に導く貴重なお話でした。

「人間の知的能力に大した差はない、差があるのは熱意と努力だけだ」とダーウィンは言っています。

明日から夏休みの皆さん、特に受験を控えた3年生の皆さんは、目標が決まっている人はまっしぐらに、目標がまだ定まらない人は目標を見つけるまで、今すべき目の前の小さな努力を積み重ねてほしいと思います。将来は今の延長線上にあり、「なるようにしかならんから今を切に生きよ!」というのも真実です。

皆さんが充実した夏休みにすることを期待して、終業式のメッセージとします。ありがとう。

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