7月9日(火)探究講演会で「最先端ロボット技術について」と題して私の旧知のマッスル株式会社の玉井博文社長にお話しをしていただきました。
清水谷高校が今年度のDXハイスクール採択校になったことで、総合的な探究の時間の一環として、1年生と2年生に対して3限と4限に体育館で、様々な実用ロボットを開発して世に送り出しておられるマッスル株式会社の玉井博文社長に講演をしていただきました。
愛媛県松山市出身で俳句も嗜み、賞を取られたこともある玉井社長ですが、大阪に出て就職し、産業用制御機器の開発や販売を担当するサラリーマンをしていて、自分でどうしても作りたい、自分が好きなことをやりたいという気持ちが抑えられず、自分で会社を立ち上げたそうです。最初はお金が無くて部品の購入でもなかなか相手にしてもらえず、とりあえず売れるものを作らなければいけないということから、ミシンの仕組みを一から研究して刺繍用のミシンを作り、その技術が日本でなく海外で評価されて、徐々に得意の特殊モーターなどの技術を生かして様々な分野で新しい製品を作るようになられたそうです。この刺繍用のミシンはアンジェリーナジョリーさんがウェディングドレスに子どもたちの顔を刺繍で入れたいという要望に応えたり、高級ブランドの刺繍バッグに使われたり、大阪で行われたG20サミットの際に歌舞伎の衣装の刺繍をしたり、販売するTシャツに店頭で直ぐに刺繍を入れるサービスをする日本の有名チェーン店会社で使われたり、今でも世界各国で使われているそうです。
また、マッスル株式会社が開発したモーターシステムは、人工呼吸器などの医療機器や、アメリカのディズニーランドで多くのキャラクター人形を動かすのにも使われているそうです。日本では新らしく取引する際に、相手の企業の規模や実績を重視しますが、アメリカでは英語が拙くても製品や技術そのものを見て評価する点が違うそうです。
その後、大阪で行きつけのレストランで偶然見かけたデザイナーの喜多俊之さんに「ロボット屋の玉井です。」と思い切って名刺交換したところから、堺屋太一さんを紹介され上海万博の日本産業館の外壁を昇り降りする『夢ロボ』制作の依頼をもらうことになり、3か月というあり得ない納期を大阪の中小企業15社に協力してもらいながら開幕日に完成させて、世界中を驚かすことになったそうです。
『夢ロボ』は、上海万博で日本のテレビのみならず世界中のマスメディアから取材されて、ここからロボットの会社として注目されるようになり、様々な人とのつながりが出来たそうです。日本の現役の総理大臣が会社に視察にやって来たり、その総理大臣に外国の元首を紹介されたりして、世界中に活躍の場が出来たそうです。
現在では、お姫様抱っこで被介護者にも介護者にも優しい介護用のロボットを制作販売したり、文楽ロボットや仏像のロボット、ダンスロボットなど、様々な依頼にこたえるサービスロボットを制作されているようです。これらをスライドや動画を使って、最先端ロボットのお話をしていただきました。
休憩を挟んで後半は、来年の大阪万博への意気込みや、生徒にも万博に興味を持たせるお話をいろいろしていただきました。