12月24日(火)2学期終業式を行いました。
朝8時35分に3学年全てが体育館に集まり、2学期の終業式をしました。最初に校長の話ということで、以下のようなメッセージを送りました。
今年も後、残すところ一週間になりました。今年、日本では元日の夕方に能登半島で大きな地震があり、甚大な被害に遭ってそこからやっと復興し始めたところで、今度は同じ地域が豪雨災害に見舞われ、復旧、復興に大変な苦労をされている人たちが沢山おられます。一日も早く平穏な生活に戻られるよう支援するとともにお祈りしたいと思います。
清水谷高校では、先月、先生のおひとりが病気で亡くなられることがあり、また今も体調不良の先生方がおられるなど思わぬ出来事が起きました。それでも先週の壱月祭に見られたように、生徒の皆さんの真剣で元気な姿に救われた思いがしています。
1年生の皆さんは今年初めて高校生になり、中学校とは違う高校生活を9か月経験して、自分自身の変化を感じているでしょう。2年生の皆さんは今年は部活動や自治会活動、学校行事などの中心になり、自らの成長を実感したことでしょう。3年生の皆さんは部活等を引退してから、進路実現のために今まさに頑張って、3週間と少し先に迫った大学入学共通テストに向けて、最後まで必死に粘っているところでしょう。私も大学受験は経験しましたが、受験に向けた学力というのは、ここから入試の最後の日までどんどん伸びるものです。以前にお話したGRIT(Guts度胸,Resilience復元力,Initiative自発性,Tenacity執念)を持って最後まで粘り抜いてほしいと願っています。
私の今年を振り返ると、夏にニュージーランドに行ったことが大きな刺激になりました。教育先進国として世界未来教育指数で世界ランキングのトップにある国へ、生徒の皆さんの語学研修の引率に行った中で、現地の国立高校の校長先生とお話をして、大いに触発されることがありました。国を挙げて移民政策を進めているニュージーランドでは、最近はバングラデシュやパキスタンからの移民が増えているようですが、特にその校長先生から話の中で「How many languages do you speak?あなたは何か国語を喋りますか?」と聞かれたことが忘れられません。私は、たまたま昔ドイツに留学をする機会やイギリスでは仕事をする経験があって、母国語の日本語と英語とドイツ語は使えると答えましたが、複数の言語を使えることが何か当然のように思われていることに大変刺激を受けました。留学した当時はヨーロッパ経済圏が拡大する中で、ドイツの銀行員で4か国語や5か国語以上を切り替えながら喋る人を何人も見ました。移民政策を積極的に進めるニュージーランドでは、英語とマウリ語のみならず多言語が当たり前の教育をしていることに目を開かされた思いがします。
言葉を身に付けるのに効果的な方法は、身体を使いながら覚えていくことだ言われます。解剖学者の養老孟司さんは、脳の働きの半分は運動と繋がっていると言われていますし、脳科学者の茂木健一郎さんは『音楽を聴くように英語を楽しもう!』という本を出されています。手や足を動かしたり、声に出したりしながら、脳を活性化させて学習するのは合理的な勉強方法かもしれません。
また、文章を練るのに最も良く考えがまとまる場所として、馬上・枕上・厠上(ばじょう・ちんじょう・しじょう)などということが言われます。今で言えば、乗り物に乗っている時や、ベッドの中、トイレの中で良く頭が働くということでしょう。これらの時間を有効に使うかどうかで差がつくことも知っておきましょう。
一方で、成長期に長時間スマホをいじったりゲームをしたりしていると、物事を考えたり自分の行動をコントロールしたりするのに重要な役割を担う脳の前頭前野の血流量が少なくなって機能が低下してしまうことが言われています。このことで、学習する能力が損なわれてしまうということも是非知ってほしいと思います。スマホを触ったり携帯ゲームをする時間は1日に30分を越えないようにしましょう。
明日から2週間の冬休みでは、新年という新たな切り替えの時を迎えて、皆さんがまた気持ちも新たに一回りも二回りも成長出来るように良い時間を過ごしてほしいと思います。
以上をメッセージとします。ありがとう。