からだを通したコミュニケーションについて

「からだを通したコミュニケーションについて~動作法を使った指導を中心に~」第2回

今年度の小学部が連続で取り組んでいる研修会テーマ、「からだを通したコミュニケーションについて~動作法を使った指導を中心に」の第2回研修会が行われました。
 講師は前回にひき続き、大阪府立高槻支援学校の川口喜輔先生をお招きし、実技課題を中心に2時間に渡って講義していただきました。
今回取り組んだのは、躯幹のひねりの課題、前屈の課題や左右の前屈の課題、立位の課題やうであげ動作の課題などでした。

  
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<躯幹のひねりの課題>

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  <前屈の課題>


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 <左右の前屈の課題>

 
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 <うであげ動作の課題>


自閉傾向や多動傾向の子どもたちをよく観察してみると、つま先でバランスをとっていたり、背中が丸まった不安定な状態で身体を支えている子どもたちが多くいます。不安定な状態で身体を支えていると、余計な力が入って不要な緊張が入ったり、身体を動かすことでバランスを補うようになってしまうことがあるそうです。
今回取り組んだ前屈の課題や立位の課題では、援助者のサポートをうけながら、からだの軸をタテに保つ経験を通して、楽な姿勢に自ら気づき、そこから自分の姿勢を自分でコントロールする方法を知ります。身体の軸をしっかりと保ち、自分で安定したバランスがとれるようになると活動に落ち着いて取り組むことにもつながるそうです。
今回、研修を受けた教員も、当事者の身体のしんどさや、緊張がゆるんでいく状態などを相手に触れる手や自分の身体の変化を通して感じるとることができました。
講義の中では、「人に身体を委ねて身体を動かすというやりとり。そのやりとりを通して自分のペースから相手のペースに委ねることを知ることができる」というようなお話がありました。言語によるコミュニケーションだけでなく、自分や相手の身体に感じる小さな気づきを大切にする「からだを通したコミュニケーション」の大切さを知ることができました。
次回、第3回(最終回)の研修は10月に予定しています。