9月の第一週の天気は絶望的な予報が出されていた。台風は西進後北上というルートをとり、曇りの予想もたたない中で迎えた当日、9月1日は大きな黒い雲に包まれ、生憎の雨。前日31日の晴天の中で予行が行われただけに、延期を余儀なくされるつらい雨となった。
翌2日、時折降る小雨はあるもののお天気そのものは回復傾向。早朝から、集まった生徒の力を結集し、水を吸い取り、汲みだし、整地、放送設備・会場設営、マスコットの移動。想像をはるかに超える短時間でありとあらゆる準備を整えた。
開会式、体育委員長の開会の辞、2年間完全な形で開催されなかった体育祭。茨木高校にとってこの体育祭という行事の持つ大きな意味、役割を確認する。優勝カップの返還、校長から体育祭に関わったすべての人々と晴れを提供してくれたお天気の神様への感謝の言葉。総団長全員による選手宣誓。一人ひとりの言葉に熱い思いと周りの人への暖かい心遣いが感じられる。そしてこの日を迎えるまでに辿ってきた道のりがそれぞれを大きくした力みたいなものを感じさせてくれた。
各団のマスゲーム、応援団、マスコットアピール、パフォーマンスの質は著しく高く、審査項目・審査観点を何度も見ながら、そして基準を上方修正しながらそれぞれ3度点数をつけなおしたが、優劣をつけるのは難しかった。どのパフォーマンスも演者の笑顔がさわやかで生き生きとした瑞々しさが印象的であった。
午後からは、審査に来てくれていた卒業生の皆さんが、自分たちには参加するすべがなかった競技に、全力で取り組む在校生を眩しそうに眺める姿を見て、改めて、体育祭が実施できたことへの喜びとその状況下で今年へとバトンをつないでくれた74期生への感謝の念を強く抱きました。
閉会式での教頭先生の御講評、優勝団総団長のあいさつ、体育委員長の閉会の辞、応援総団長の言葉。どの言葉も喜びと感謝の気持ちで満ち溢れ、グランドにいたすべての人を幸せな気持ちにする時間を与えてくれた。1年生、2年生、3年生それぞれの学年でしか味わえない貴重な経験ができたこと、これからの人生で必ず生きてくる。お楽しみに!朝早くからご覧いただいた保護者の皆さま、開会までに時間がかかり、お待たせして申し訳ありませんでした。また、お越しいただけなかった保護者の皆さま、ご理解いただきありがとうございます。様々な状況の中、教育の本質を曲げぬよう進んでまいります。天候不順な中、陰に陽に生徒を励ましてくださった先生方、前日、木曜日に最後に学校を出られた先生を翌、金曜日の早朝に門でお見掛けしました。誰にも知られない中で、黙々、コツコツとご努力されている姿を生徒はちゃんとわかっていて、総団長の言葉の中で感謝の念が伝えられました。茨木高校の真の素晴らしさが詰まった時間に立ち会えたことを心から感謝いたします。
75期生フォーカスVersion
「あたりまえ」と思っていたものが突如崩れ落ち、消え去った令和2年。その令和2年度に3年生、75期生は入学してきました。何事も常に「やる」か「やらないか」からスタートし、焦点はいつも安心できるのか安全なのかが問われ、心が置き去りにされることが数限りなくあった2年半だったと思います。この数日間、学校の中でみなさんの取り組む姿、声をかけあう様子を見ながら今日を迎えられたことの意義の果てしない大きさと重さを感じています。みんなで集まって、ゴールを描いて、想いを共有して、知恵を出し合う。これだけ多くの人数で、しかも学年を越えて経験する機会は人生の中でそう多くはありません。75期生にとっては最初で最後の機会となるかもしれません。それは、厳しい感染状況の中で無観客の中、伝統を引き継ぎ形にしてくれた74期生のみなさん、2か月学校がない中で、心と体をケアーしてくれた保護者の皆さん、そしてこの体育祭では、75期生3年生の最高の思い出を一緒に味わおうと運営を懸命にしてくれている76期生2年生、先輩方の一挙手一投足、一言一言を漏らさず吸収しようとする77期生1年生、多くの人の力が今日という日を迎えさせてくれたのだと思います。今日一日、全力で楽しんで、自分を励ましてくれた、支えてくれた仲間、お父さんお母さん、先輩、後輩に感謝の言葉を捧げてください。それでは最後に苦しかった過去を捨てて、楽しい未来を築く一日にするためにみんなでしりとりしましょう。Repeatしてください。
Wish Hope Enjoy Yes, we will.
いい一日になることを心から願い私のあいさつとします!
一生の宝物 Version
体育祭成功おめでとうございます。
一昨年の中止、昨年の無観客の中での実施等先輩方が懸命につないでくれた体育祭を3学年全校生徒がグランドに一堂に会し、迎えられた今、この時点で体育祭は成功です。
心の中で描くという点では1年間、新年度になって数か月、そしてこの数週間多くの人が、いろいろな立場でさまざまなことを考えて、議論をして、何度も息詰まり、そして決断を繰り返して今日を迎えられた。
先輩の限りのないやさしさや温かい言葉に触れたり、同級生の発想の豊かさに心揺さぶられたり、モノづくりの才能の高さに驚いたりしたことでしょう。後は今日ベストパフォーマンスができることをただひたすら願うのみです。そして今日一日を終えたときにたがいに交わされるありがとうの言葉で学校が満たされたとき、そしてこれからの人生の中で今日見た光景や流れていた曲、交わした言葉が思い出され、背中を押してくれることを実感した時にこの体育祭の真の成功が皆さん一人ひとりを祝福してくれると信じています。
また、保護者の皆さま、今日は朝早くから来校いただき、ありがとうございます。すべての皆さまをお招きできる状態でないことを心苦しく思っておりますがこの状況下ご理解ください。どうぞ一日、生徒たちの演技や競技をお楽しみください。
最後になりましたが、近隣のみなさまには、予行の日と合わせて、今日一日大きな音を出させていただきます。なにとぞご理解のほど申しあげまして挨拶とさせていただきます。