時を遡る(5)  忘れ物

6月8日(木)教育実習生の授業を拝見した。様々な経験を経てたどり着いた道。その中での授業はいわゆるご自身が自分と向き合いながら、現時点で見つけたものの集大成をぶつけておられるように感じた。授業後に校長室を訪れられ、私からは「整理され、機能的になされる板書のすばらしさと机間巡視の中で一人ひとりの様子をつかみ、教壇で全体に返す柔軟性のある姿に心動かされた」ということをお伝えした。

 ご自身の高校時代を振り返られ、生徒会の執行部として過ごした日々や様々な友人とのかかわりの中で、「人の役に立てばいい、喜んでくれればそれが幸せだ」と思っていたと告げる一方、今の高校生に投げたい言葉として、「自分の好きなことをとことんチャレンジをしてほしい」を送りたいと仰っていた。卒業して30年近い時が流れ、高校時代に置き忘れたものをしっかり心に携え、次に進んでいきますという言葉を残して校長室を後にされました。

歩んでこられた時間の長さを考えると、ほんの一瞬のこの出会いの中でご自身の人生を語っていただけたことに心より感謝申し上げます。

  50代最後の日となる今日をどう生きるかを考えるエピソードとして貴重な実習生のお言葉でした。6月を5回シリーズで時を遡りました。明日で2023年度の3か月、2023年の半年が終わります。7月がより良き下半期のスタートとなりますように!