WANTED

2022年夏。音楽科の先生からステージの上に何人まで上げることができるかという質問を頂いた。ホールの上が密にならないかということだった。マスクの着用や立ち方、距離はどれほどか。教育庁の通知を確かめながら、実施が可能かどうかを何度も検討した。

 最終的には校長判断。コロナ禍の中で、何度も自問自答した。そんな中で行われた第38回の音楽会は、翌日、何かをコメントする力をすべて奪った。自らの言葉が何かをだめにしてしまうのではないかと思われるほど、心の中のなにもかも、すべてを洗い流していった。

 2023年秋、PTAの行事の際に、コロナ禍真っただ中の音楽会を視聴した。限られた人数、マウスシールドをつけてのパフォーマンスの数々を見た。

 そして2024年3月5日、第39回茨木高校音楽会が行われた。昨年同様、それぞれのパフォーマンスに対して音楽的なことは自分には語る力が足りない、更に私の筆力ではとても表現できない。

 間違いなく感じたのは、受付をする人たちの生き生きとした笑顔、出番前の心地よい緊張、運営スタッフの時間を無駄にしない幕間での準備、後片付けの際の立ち居振る舞い、舞台上で示す凛々しさ、パフォーマンスを終えた後のすがすがしい表情。どれをとっても自分と向き合い、友と語り合い、時を同じうして積み上げてきた鍛錬の日々を心から味わってこの日を迎えたんだということ、その姿に胸を撃たれました。

赴任したばかりの先生を陰になり陽になり助け続けた人がいた、声をかけあう人がいた。第九を披露してくれた舞台上のすべての人が味わった経験、その響きを味わえた聴衆。歌は欠けている何かから可能性を見出すものであり、曲は多くの世界を示してくれ、心に響き、豊かにしてくれる。そう気づかせてくれる機会を与えてくれたこの会に携わっていただいたすべての人に感謝いたします。音楽の演奏は始まったら引き返せない!その事実に改めて感動、感謝いたしました。ありがとうございました!

 Beyond i in Singapore は今日がいよいよ最終日です。学校の近況ブログでの様子に力をもらっています。最後まで気を抜かずに無事の帰国をお待ちしています。