広い体育館。前方スクリーンに映し出された3on3のディフェンス、オフェンスの形。今回がこのパートの最後。リーグ戦で力を尽くすように指示。攻守の入れ替わりの速さ、ピンチとチャンスが瞬時に移り変わる。一刻も油断できずに、ボールを追いかけ、スペースに走り込む。汗びっしょり。数分の休憩で水分補給。全部流れ出る汗。3年生の10月下旬。体育の授業にこれだけ打ち込める人たちの進路達成率は高い。茨高でもそうだったし、かつて勤めた学校でもそうだ。あきらめずにリバウンドを取りに行く、ディフェンスに走る。こんなひたむきに、やれることを見つける集団に広い空は昇り続けることを求める。 カンガルーも待っている。応援団として!2年半そばで応援し続けた先生、応え続けた生徒たちに「謝」。少年野球、オーストラリアで駆け回ったサッカー、6000Km走った自転車。スポーツは好きだ(でも体育祭でこけた)。選手として5年、指導者として10数年走高跳と向き合ってきた。驚いた。
ベリーロールの映像を見た。振り上げ足の膝と手が一番にバーの上を通過する。それだけのアドバイスで、跳ぶ、跳ぶ、跳ぶ。みんなでうまくなるねんで。できない人ができる人にアドバイスする。「頭からやで」次に跳んだ人に声をかける。次から、次へと声をかける。欠かさず声をかける。膝が一番に通過する。先生の実演。「どこが違う?」の問い。「かかと」という答え。滞空時間を長くするためにどうする。映像を見て考える。「リードの手をしっかり上げる。」ゼスチャー付きの答えだ。みんなで一斉にチャレンジする。うまくなる。どういうこと?20年近く職人技と思って、秘技だと思って心に抱いていたことを、ほんの数十分の中で、みんなで気づき、みんなで実技。できるようになっていく。すごい能力、受け入れる力、優しい気持ち、暖かい雰囲気。3on3でもそうだ。包み込むような雰囲気の中で、それぞれがお互いに学び合い、高め合う。これが集団の力だ。GroupではないTeamの力だ。両先生とも、実に少ない指示で、的確に、適切に生徒を導いていく。高跳びを見ながらもの想いにふけっていると、「バン」という音、連続で響き渡る。「踵」での踏切だ。とても強く、でもとてもやさしい響き。思い切り地面を捉えて、高く、高く跳べますように!