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R5 8/23 SSH特別講義(「大台ケ原自然環境研修 事前研修)

今年度のミラクルチャレンジのひとつに、「大台ケ原自然環境研修」という企画があります。
これは、吉野熊野国立公園の一部である大台ケ原での現地研修を中心とした活動のなかで、
自然や環境についてさまざまな視点から考えることを目的とした研修です。

8/23(水)は、その事前研修として、
環境省近畿地方環境事務所 吉野管理官事務所 国立公園管理官 鵜飼匠太 さまにお越しいただき、
質疑を交えた約1時間20分のご講義をいただきました。

前半では主に、鵜飼さまのこれまで携わってこられたお仕事についてのお話を交えながら、
環境省やその役割について、また、国立公園の意義やその保護についてのお話しいただきました。

「環境事務所」や「国立公園管理官」という仕事そのものも、初めて知った生徒が多かったようで、
時おり投げかけられる鵜飼さまの質問に答えながら、生徒は熱心に話を聞いていました。

また、後半では大台ケ原の地理的・気候的特徴についての説明や大台ケ原の生き物の紹介のあと、
一枚の森の写真が示されました(下の写真2枚目)。

生徒はこの写真について、それぞれ
「深い森、という感じ」「豊かな自然だと思う」等と感想を口にしていましたが、
実は、鵜飼さまによると、この森は「いい森ではない」そう。
高い木が林立(まさに林立)し、かつ下部にはクマザサなどの下草も茂っているため、
いっけんよい状況のように見えるのですが、
3~4メートルほどの中くらいの高さの木、つまり若い木が見られず、
人間でいうと「高齢者の多い限界集落」という状況であるそうです。

原因はなんと「シカ」で、
シカが樹皮を食べたことで栄養が行き届かなかったり病気になったり、
そもそも若木ならまるごと食べられてしまったりということで、深刻な問題だということです。

生徒からは「植林をするなどの対策が考えられるのでは?」と意見が出ましたが、
標高1600mという大台ケ原の気候を考えると、なかなか植林しても根付かない、ということで、
「ぜひ、どうすればいいか考えてみてください」との投げかけがありました。

他にも、大台ケ原のある上北山村の「459人」という人口で自然保護をしていく難しさや、
国立公園に多くの人が訪れると、自然が荒れたり利用者への呼びかけが行き届かなかったりするというお話など、
興味深いお話ばかりで、たいへん有意義な時間となりました。

お話の後の質疑の時間にも、
国立公園間の予算配分や、現地研修の時に大台ケ原で見られる生き物などについての質問に、
鵜飼さまはひとつひとつ丁寧に答えてくださり、
最後に「環境庁のレンジャー」を表すRポーズで記念撮影をして解散したあとにも、
何人かの生徒が個別にお話を聞きに行っていました。

この後、生徒は班ごとにテーマを決めてから現地研修を迎えます。
ぜひ今日得た視点も持ちつつ、現地研修に臨んでほしいと思います。

鵜飼さま、改めまして、ありがとうございました!!

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