視覚障がい教育史料報告会

本校の資料室には「視覚障がい」の歴史的資料が眠っています。
その資料群を、週に1回岸博実先生に整理・分類をしていただいております。

岸先生は、京都府立盲学校で「京都盲唖院関係資料」を重要文化財指定の立役者です。

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同窓会館に用意した椅子がすべて埋まる人が集まりました。
卒業生や教職員OBも多数見えられ、盛会となりました。

はじめに、歴史的概観をお話され、人物に焦点を当てながらお話をされました。
そして、本校の所蔵する歴史的な資料を、実際に手に取ることができる形でご紹介いただきました。

3年ほど前にまとめられた資料室の目録によりますと(アーキビストや学芸員によるものではありませんが)、11500点もの資料が存在するとのことでした。1枚もののメモ等も含まれているため、各々の史料的価値の高低については判断しかねますが、それだけの資料が残っていることが貴重です。

五代五兵衛関係や古川太四郎関係の一次資料(オリジナルな情報、書きつけられたものなど)や、明治期の教材教具(木刻文字や凸字本など)など、詳しくご紹介いただきました。

特に、木刻文字や凸字本は「いかに普通文字を盲の人に読ませるか・理解させるか」という観点で作られており、時代を感じさせます。

また、「ガラン式計算機」の小話や、点字教具、「盲人点字独習書」(左近允孝之進)などのご紹介もあり、実際に手に取ってみることができました。

書きだすと非常に長くなりますので、このあたりで...

私たちは、先人の残した知恵や努力の上に立脚して、いまの教育を行うことができます。その知恵や努力に対して最大限の敬意を払う必要があると痛感いたしました。

先人たちの残した偉大な足跡を、現代の私たちが次の時代へとつないでいくためには、この資料は絶対になくすことのできない資料だと思います。当時史料は和紙のものが多く、虫食いや風化による劣化など、状態の悪い資料も数多く見受けられるようです。どうにか、この資料たちを守り、次の世代へバトンパスをしていけるよう、努力していきたいと思います。

(教頭 内田)

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