7月21日(金)1学期終業式を行いました。

7月21日(金)1学期終業式を行いました。

最初に、校長からのメッセージということで、以下のような話をしました。

皆さん、おはようございます。1学期の終業式を迎えました。1学期には遠足や体育祭もありましたが、皆さんにとって充実した期間になったでしょうか。

昨日は、3年生が、3、4限に2年生と1年生の教室に行って、探究活動の仮説検証などについて発表し、2年生と1年生は聞いたプレゼンテーションについて質問したり、1人1台端末を使って評価やコメントをしてくれていました。3年生の皆さん、ご苦労様。1、2年生の皆さん、ありがとう。あちこちの教室を回りながら、プレゼンテーションを聞いていましたが、ジェンダー平等について発表するとチームが多くあり、貧困や飢餓などのほか、安全な水とトイレ等についても、考えたことを発表してくれていました。チームで協働して考えるという経験をするとても良い機会になっているように思いました。

ところで、昨日の発表に関してChatGPTを使ってやってみたという班はありますか?手が上がらないようですね。それでは、今までにChatGPTを使ったことがあるという生徒はどれくらいありますか?10名くらいの手が上がっていますね。先生方でChatGPTを使ったことがあるという方はありますか?手が上がりました。いらっしゃいますね。

先般、文部科学省がChatGPTなどをどう使うかについて、ガイドラインを示しています。使うなとは言っていません。著作権侵害や個人情報などで注意しなければいけない点があるが、使うなとは書いてない。18歳未満は保護者の同意があれば使える。過去の事例からすると、この先に利用が一気に進み、大きな流れになるでしょう。無料利用版のほかに、フルバージョンでも月額20ドル、3千円で利用できます。

シンギュラリティというAIが人類の知能を上回る転換点が2045年ころと想定されたり、AI導入で2035年までに人の仕事の49%が無くなるという野村総研とオックスフォード大学の研究が出たりしていますが、最近の動きを見ていると、AIによる時代の大きな変革は急激に早まって、2~3年後の2025年になるかもしれないという印象です。学校の授業の形が大きく変わるかもしれない。そういう意味で、皆さんは歴史的転換点の証人になるわけですが、驚くことはありません。私が高校生だった50年前、パソコンは存在せず、当然ながら携帯電話は想像すらされてなかった。コンビニや宅配便が初めて出来たのも大学に入ってからです。トイレはどこも和式で水洗にもなってなかった。ウォシュレットの出現は革命的だった。エアコンも、家にも学校にも影も形もなかった。想像できますか?それを想えば、想像を絶する変化は当たり前。驚くことはありません。

ただし、皆さんも、宿題をChatGPTなどの生成型AIでやったり、読書感想文をAIで書いたりしたら、教えてくださいね。申告してくださいね。

さて、明日から夏休みです。皆さんは何をしますか?夏休みは何のためにあるか、という問いに対して脳科学者の茂木健一郎さんはボーとして何もしないオフを作り、新学期にパッとオンに切り替えるなどというようなことを言っていますが、3年生は受験を控えてそうも言えないかもしれません。それでもオンとオフの切り替えを上手にすることは大事だと思います。

私は50年前に高校生でしたが、高2の夏休みは、高校で親しくなった友達4人と、岡山県津山市の実家から出雲大社まで約180㎞を自転車で往復4泊5日の旅行をしました。途中はテントで山中や海岸を野宿しながらの旅でした。「スタンドバイミー」という映画がありましたが、その高校生版の感じでした。大阪でいえば、玉造から伊勢神宮かその先の賢島くらいまでを自転車で往復する感じでしょうか。当時は電動自転車などは無いし、道路にトンネルはなくひたすら山の峠を登り、携帯電話のGPSも無く、道中にコンビニも吉野家などの外食産業という存在もありませんでした。不便ながらも楽しい冒険旅行でした。この時の友達は生涯の友となり、50年経った先日も、東京で集まって夕食を食べました。誰もが知る大企業で立派な仕事をやり遂げている友達です。

日本の大企業で作る経団連という組織がありますが、そこで昨年どのような人材が欲しいかという調査が公表されました。資質、能力、知識という分け方で、資質の第1が、主体性、第2がチームワーク・協調性、第3が実行力です。能力では第1が課題設定・解決能力、第2が論理的思考力、第3が創造力、知識では第1が文系・理系の枠を超えた知識・教養、第2が専門分野の基礎知識、第3が専門分野の専門知識でした。清水谷高校の多くの生徒が進学希望ですが、大学進学が人生の最終目標でなく、その先に社会で仕事をするということを考えると、社会が求める人を知っておくことは大事でしょう。受験勉強では文系、理系に分かれても、受験に使わない教科を捨ててしまうと、4年後にそのことで苦しむことになる。だから高校で学ぶことは、家庭科や芸術、保健体育などの大学受験科目にない教科についても、真剣にその時に教養として身に着けておくことが大事です。

この続きはまた1か月後の全校集会で話しましょう。

ここにいる皆さんが、明日からの1か月を充実させて、また元気な笑顔でここに帰ってきてくれることを祈っています。

良い夏休みを過ごしてください。

ありがとう。

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