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8月11日(日)ニュージーランドの教育システムについて③大学入試制度

8月11日(日)ニュージーランドの教育システムについて③大学入試制度

ニュージーランドの大学は、政府が「量より質」を重視する方針ということで、国立総合大学8校のみが"University"の名称を使うことができ、大学は国内に8校しかありません。これらは設備や内容も優れており、オークランド大学は世界ランキングで常に100位以内に入っていて、残りの7つの大学も全て世界のトップ500以内です。日本には「大学」がニュージーランドの100倍近い796校ありますが、世界ランキング100位以内に入っているのは、東京大学、京都大学、大阪大学、東京工業大学の4校で、トップ500以内に入っているのは、神戸大学の476位、一橋大学の481位までの15校しかありません(私立大学は早稲田、慶応の2校のみ)😱😭。ニュージーランドの大学のレベルがいかに高いかがわかります。

高等教育は、大学以外に、国立の職業専門学校であるポリテクニックと工科大学が全国に21校あります。社会の即戦力として使える職業に密接した各種プログラムを提供し、理論と応用の双方から指導が行われているようです。

ニュージーランドの大学に入るには、年1回行われる全国統一資格制度(NCEA)の試験があり、11~13年生(15~17歳)が受験します。高校1年の時にレベル1、2年の時にレベル2、3年の時にレベル3の試験を受験するのが通例のようで、レベル1は義務教育終了レベル、レベル2は職業専門学校への進学が可能な水準、レベル3が大学入学審査の対象となります。NCEAの結果は得点換算され、achieve、merit、excellentというランクがつけられます。そしてランクによってクレディットというスコアが蓄積されます。この成績は学校教育の修了資格としてだけでなく、生涯にわたる学修履歴のエビデンスとしての役割をもち、キャリア形成の基盤とされています。大学では学部ごとに、受験するNCEAの科目と最低到達レベルが設定されており、子どもたちはこれに応じてNCEAの受験戦略を立てるようです。個別の大学による一斉の入学試験というものは無く、NCEAクレディットのスコアと書類審査で決まるようです。

大学は、入学は簡単だけど単位認定が厳しく、卒業するのが大変という、イギリスやアメリカの大学と同じ仕組みなのかもしれません。日本の大学とは大きく異なる考え方です。また、18歳までに一般教養は修了しているという前提で、大学は通常3年間で卒業できるようです。

ニュージーランドのキャリア形成のひとつに、Apprenticeships(アプリンティス)というものがあるというのも聞きました。日本語にすると「徒弟制度」というもので、建築や理容、美容、農業などの分野で、親方について給料を貰いながら「手に職」を付ける制度のようです。Mount Albert Grammar SchoolのOld Libraryの中にあるCarrie Centerの入り口に、大学に行くコストと大卒学士号の25歳時の給料に比べて、Apprenticeshipsの25歳時の給料の方が2倍以上高いなどというポスターが貼ってあったのを興味深く見ました。目的も無いのに借金してまで大学に行っても仕方ないというのは、日本でも共通でしょうね。

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