8月14日(水)人の時間を奪うということ=マレーシア航空で起きたこと 往路③
7月27日(土)も緊迫した場面満載でした。
前日夕食を食べられなかった生徒たちはお腹がペコペコだったはずです。朝7時からのブレックファストには早くに並んで食べていました。客が急増したにも拘わらずなかなか充実したバイキングでした。寝る時間も全員がわずかだったので、もしかしたら睡魔に負けてギリギリまで寝た生徒もいたかもしれません。
空港へ戻るバスの時間が11時と指定されていたので、生徒たちには9時半にロビーに集まってもらいました。早めに玄関ロビーに並んだにもかかわらず、団体全部が乗れない場合は全員降ろされたりして、ここでも賢い"ビジネスマン"や個人客に先を越され、1時間以上待って、これが最後だという11時のバスに乗れると思いきや、全員の座席はないと言われました。ともかくある座席数分だけは14人の生徒と引率の先生に乗って先に行ってもらいました。
添乗員さんと校長を含めた12人がホテルに取り残されました。添乗員さんがホテルに確認すると、マレーシア航空に頼まれたバスは終わりで、もうバスは来ないと。それでは困ると掛け合うと、ホテルはなかなか良心的で、機転を効かせてタクシーを3台手配してくれました。最初のタクシーに校長と生徒3人が乗り、2台めは生徒4人だけで乗らざるを得ず、最後のタクシーには添乗員さんと生徒3人が乗ることにして空港へ急ぎました。
空港では、校長が乗った最初のタクシーだけが国内線の入り口で渋滞になり、降ろされました。後ろの2台は、着いてきておらず、探しても見つからないのと搭乗時間も競っていたので、空港の人に尋ねながら、生徒を連れて全員が必ず通るはずの国際線の出国カウンターに向かって走りました。そこにも見当たらないので通過して中に入って待ちました。
最初のバス組と後ろのタクシー2台は出国カウンターで上手く落ち合っていましたが、校長チームが行方不明だと心配していたようです。この空港の出国カウンターが、実はまさかのA、B、2箇所あったことはこの時お互いに想像していませんでした。
校長チームがそれ以上進もうとしたのを止めてくれた生徒がいたのと、エスカレーターで降りた1フロア下の出国ゲート前で校長チームがウロウロしているのを階上から見つけてくれた生徒がいたのとで、12時過ぎに全員が合流し、事なきを得ました。搭乗時刻までもう1時間を切っていました。
この後、出国ゲートでの手続きや、手荷物のセキュリティチェックなどをして搭乗口まで行くと、既に搭乗時刻ギリギリでしたが、まだ搭乗は始まらず待たされて、結局テイクオフは40分遅れの13時40分でした。
10時間のフライトでやっと目的地のオークランドにランディングしたのは、オークランド時間の午前3時30分でした。ここから現地エージェントが再手配してくれていたバスが迎えに来る7時半まで、オークランド空港内で軽食を取ったり、飲み物を飲んだりして待ちました。ホストファミリーが待つMount Albert校に着いたのは、当初予定から20時間遅い、7月28日(日)の午前8時過ぎでした。実に関西空港を飛び立ってから、43時間が経っていました。
往路の行程でのマレーシア航空のトラブルで、貴重なニュージーランド滞在時間を20時間も削られてしまいました。生徒にとっては、「よくあること」では済まされない掛け替えの無い時間でした。