令和7年2月28日、寒波が和らぎ、正門前の梅が一輪、また一輪と開き始めました。
春の訪れが感じられる中、大阪府立高槻北高等学校 第46回卒業証書授与式を挙行いた
しました。
地域のご代表の方々、中学校の校長先生方、PTA役員の皆様が、ご来賓として、そして
保護者の皆様が、46期生の旅立ちを見守ってくださいました。本当にありがとうござい
ました。
卒業証書授与の際、担任の先生の呼名に、「はい」と、堂々とそして凛とした佇まいで
応えるみなさん、「卒業生答辞」の中で語られた北高での日々、そして最後の「卒業歌」
の素晴らしい合唱・・・。46期生のみなさんはもちろん、この式に立ち会ったすべての
方々の記憶に残る、素敵な時間であったと思います。
以下は、私の式辞からの抜粋です。
~みなさんが入学した頃は、私たちが、新型コロナウイルスとなんとか共存していこう、
と動き出した時期でした。感染拡大防止対策を講じながら、みなさんは、先輩とともに、
そして上級生になってからは後輩を率いて、精一杯、学習や部活動に、そして様々な行事
に取り組んできました。今まで通りではなく、今まで以上のものを創っていこう。それは
このいわゆるコロナ禍を経験した私たち皆の意気込みであり、みなさんは北高生として、
見事にその思いを形にしていってくれました。そのしなやかな逞しさを、誇りに思います。
これからみなさんが進むその未来には、とてつもなく素晴らしい何かが起きるかもしれ
ませんし、とんでもない禍に見舞われることがあるかもしれません。けれど、みなさんの
前に、たとえ何が突然現れても、「こうでなくてはならない」などという固定観念にとら
われることなく、自由にしなやかに考え、周りの人々と、時には世界中の人々と共に悩み、
協力し、逞しく歩んで行ってほしいと思います。
さて、私たちは生きていくことを、よく「道を歩むこと」にたとえます。日々生きてい
くことは、自らが決めた、どこかへ向かって歩むこと、ともいえそうです。自ら決めた、
行きたい場所は、一人ひとり異なり、その歩む道もまた、一人ひとり異なります。ですか
ら、私たちは、めざす場所や歩む道を、人と比べて一喜一憂することなく、自分を信じて、
一歩一歩自分自身の人生を歩んで行くのです。自分が今いる場所があり、そして目標と
する場所がある。そんな時、私たちは往々にして、その場所へ通じる、最もよく知られた
道を思い浮かべます。もし、そのよく知られた道が、今の自分にとって険しすぎたり、遠
すぎると感じたりすると、そこへ行きたかったけれど、自分には無理だと、あきらめて、
目標そのものを変えようとしてしまうこともあるかもしれません。
けれど、自分の行きたかった場所へ通じる道は、本当にその道一本だけしかないのでし
ょうか。よく考えてみれば、その場所へ通じる道は、他にもあるのではないかと気付くは
ずです。険しいけれど、階段がついている道、少し遠回りだけれど、緩やかな坂道。途中
でちょっと一休みできる道。あるいは、陸路で行くと遠いけれど、船で行く航路がある。
そして、見渡す限り道はないけれど、ここに道をつければよいのではないか。もし、み
なさんがそう気づいたなら、ぜひ、目の前の草をかき分けて、あなた自身が道を作ってく
ださい。その道を歩む最初の人、今までにない、新しいことに挑戦する先駆者「草分け」
となってください。
自らの道を歩みながら、その道で出会うであろうたくさんの人たちと、つながり、
共に考え、力を合わせて行動することで、未来を切り開き、思い描いた場所へ到達して
ほしいと思います。この高槻北高校で、みなさんが、北高生として、この仲間たちと共に
経験したこと、培ってきた力が、そのときにも、きっと生かされると信じています。
みなさん一人ひとりが、これから歩むその道に、あまたの幸せと笑顔が、いつも満ちあ
ふれていますようお祈りし、私の式辞といたします。~