「学校が楽しすぎて、不安になる。体育祭での練習、制作物の作業などで帰宅が遅くなることもあったがそれも一つの経験。教員もゆったりとしていた。生徒の目線で接してくれておおらか、朗らか。この問題が解けるかという問いかけに賢い生徒が先生とやり取りをしているのを見ながら学んでいた。一方的に教えるというより能力を引き出す、生徒の心をくすぐるような授業が多かった。 部活動でキャプテン、エース級の活躍、体育祭の応援団長、それぞれの分野で学生生活を満喫しながら、東大、京大、阪大などに進学し、裁判官、大学教授、弁護士、警察庁など自らの志に到達した数多くの同級生に出会え、同じ時間を過ごせたことだけでも価値があった。」
弁護士の八十祐治さまが1年生の保護者対象のPTA進路講演会の中でお話しくださいました。 ご自身もサッカー部に所属し、大阪でベスト8入りし、のちに全国大会へ茨高サッカー部が出場する礎を築かれました。そして大学進学後、Jリーグに所属しプロのサッカー選手としてプレーされました。31歳で引退され、心の中で様々な葛藤をされながら、新たな道を進むことを決意し、司法試験を受験、35歳で合格され、現職に就かれているというお話は示唆に富み、どの部分ももっと時間をかけてお聞きしたいエピソードが連なっていました。
「苦しみを抱えていた時に、支えになったのは、ともに高校生活を過ごした仲間との時間、交わした会話、見ていた背中。志を持って夢を叶えていった仲間がいたから、自分にもその力があると信じられた。1年生の時に見た体育祭での先輩たちの行動力、統率力、自分もああなるぞと思ったその原点がいつも自分を支えてくれた。」「目の前のことに全力でいればいい、身の回りにいる友達と過ごす貴重な時間に気づけばいい。それが将来の自分を作っていくかけがいのない時間だ」と繰り返しお伝えいただきました。ゆったりとした語り口の中に、「そのまま進みなさい」という力強いメッセージを携えてくださりありがとうございました。ご講演から2週間たった今も、心の中で何度も励まされています。お聞きになられた保護者の皆さまも同じ思いでいらっしゃると推察いたします。八十様、素晴らしい土曜の朝の時間をありがとうございました。