心ほっこり

  土曜日の朝、171号線を越えて高槻現代劇場へ向かうところから役員の方であろう複数の方が案内の札を持って立っておられました。少しためらいながらも会釈すると、笑顔を返してくださいました。風は冷たかったのですが、心はほっこりしながら正門までたどり着きました。門のところで待ってくださっていた係の方は颯爽と校長室まで案内してくださいました。

  府立高等学校PTA協議会第2ブロック会議、当日(11月5日(土))の朝の出来事です。幸せは連鎖します。ご講演いただく佛教大学副学長の原清治教授は校長室から会場に向かう間に自習していた生徒にお声がけされました。さらっとしたやり取りの中で会話の終わりには勇気づけられた生徒の笑顔、研究者でありながらその成果は実践に基づいたものであることをご教示いただいたように感じ、廊下でスキップしたい気分になりました。

ご講演では、「大学はどのような人材を求めるのか」

というテーマで、PTA協議会出席者に大学の現状をお伝えいただき、だからこそ高校時代にどのような力を身に着けていくべきなのかということをお示しくださいました。対面でお話しいただけるからこそ、感じる息遣い、暖かさ、大きな笑いに包まれた後の静寂の中でささやかれる言葉の重さ、深さに参加者一同魅了され、大きな拍手で感謝の念をお伝えしました。

  その後行われた各校のPTA活動報告でそれぞれの取り組みをご披露いただきました。本校は文化祭の取り組みを中心に映像でのご紹介とグッズの実物をシンプルに、でもしっかりとお示しし、さわやかに締めくくりました。前任校のPTAの皆さんともお話ができ、人と人とのつながりの大切さやありがたさをかみしめる貴重な土曜の朝となりました。最後に地区委員長としてご挨拶をいたしましたので、添付いたします。

皆様おはようございます。地区委員長の茨木高校の高江洲です。

先週の土曜日に本校の同窓会総会が3年ぶりに対面での開催となりました。直接言葉を交わす喜びを皆さん感じておられる様子に心がほころんでいく自分を感じておりました。

 突然、「校長先生。」と声をかけられ、振り向いたときに、「高校生活が人生の中で一番楽しかった。本当に楽しかったんですよ。」と仰いました。1歳違いなんですよ。この方が先輩で、私が後輩です。「本当に楽しかったよな。」とお二人で顔を見合わせてお伝えくださいました。毎年、年に一回の同窓会総会で昔の仲間と会えるのが楽しみで、そのために健康には人一倍気をつけているとお話しいただきました。ご卒業後、70年、71年を過ごされたお二人でした。様々な経験をなされ、つらいこと、楽しいこと、喜びや、悲しみを全部味わった中で、人生で一番楽しかったのは高校時代だと仰っておられたメッセージは、ー自分が今お預かりしている高校生が70年たって振り返ったときに最高だったと思える3年間を過ごしているー その事実の重さと大切さを改めて認識させてくれました。

 この3年間、3校で勤務いたしました、3年前は大阪市内の学校で2か月の休校。生徒のいない学校から、課題を用意し、各担任から一言添えたお手紙を封入し、詰め込まれた封筒を運び出すトラックに先生方が手を合わし、手を振りながら、自分たちが手にしたものが生徒に届くと喜んでいた姿が印象に残っています。昨年は、高槻市内の学校で、放送で、黙食をお願いし、話したくなるようであれば一人でご飯を食べてください、話さないことで心が通じ合ってるという仲間であることを確認してくださいというような指示をしました。

 そして今年、修学旅行や体育祭のフルサイズでの実施、文化祭での保護者、中学3年生ご招待、そして昨日は、インドネシアから学校訪問に来た生徒との交流が叶うなど以前は「当たり前」であったことに「ありがたみ」を感じながら業務に携わっております。「高校生活、楽しかった。」在校生のひとり一人に70年たってもそう言ってもらえるような関りをしていけたらと願う毎日です。

  ご出席いただいたすべての方にとって実りある豊かな土曜の朝となりますよう祈念いたしまして私のご挨拶といたします。