「瀬戸大橋も明石大橋もみんな仲間が作ったんですわ。」お隣に座るご縁を頂いた高6回の方からお聞きしたお話です。「私は、そうでもないんですけど同期のみんなは華々しい活躍をしてましてね...。」左隣に座られた法律関係のお仕事をされている高28回の方がお話くださいました。会の中のご講演では小中高とでの友人との出会いから脚本を書くというお仕事をすることになり、茨高では恩師の暖かい、包み込むような係わりの中で豊かな高校生活が送れたというエピソードをお伝えくださいました。与えられた時間の中で、ゴールに向かうためのソースをいかに集め、どう使うかが良い作品を、大量に生み出せるかのカギを握る、それは「ご縁」をどのように感じ、どのように受け止め、そしてその「ご縁」をどう生かすかに尽きるということをユーモアに満ちた語り口でお伝えくださいました。
参加者の中で最ご高齢の方からは、第2次世界大戦最後の年に、お父君とのやり取りのお話を取り上げられ、最後はこの命があるのは「運」だと言葉を加えられました。頂いた「ご縁」と天から与えられ、得られた「運」、良き「運」「縁」にするかその逆になるのかは、受け止め方次第で人生どのようにでもなるということを、昨日開かれた、2023(令和5)年度久敬会総会の中でご教示いただきました。
本日、文化祭にお越しくださいました、東京久敬会の伴会長ともお話をさせていただく中で130年近い歴史の中で、時代が移り、世の中が変わり、人が入れ替っているのに、茨高の文化が変わらず、ずっと携えている、大切にしているものは、マニュアルとして書き込まれたり、教え込まれたり、刷り込まれたりするものではなく「沁み込んでいる」ものなのだなということで意見が一致しました。言語化されたり、文字化されたりしないものが「沁みこむ」茨木高校。多くの生徒たちの素晴らしいパフォーマンスに触れ、あふれる笑顔に出会えたからこそ「沁み込む」ということがどういうことなのかを探索、追求してみたくなりました。お話してくださった同窓生のみなさんありがとうございました。そして会を締めくくってくれた73期、75期のみなさんありがとうございました。新しい、大きな一歩をありがとう。
以下は総会でのご挨拶です。
久敬会会員の皆さま、こんにちは。対面での総会の開催を心よりお喜び申し上げます。
平素から母校の教育にひとかたならぬご理解、ご支援を賜っておりますことに、厚く御礼を申し上げます。昨年4月に着任しました第26代校長の高江洲良昌でございます。赴任して一年半が過ぎ、様々な行事でお力添えくださるご卒業生の方々の熱い思いに包まれて在校生がすくすくと育っていく姿を拝見し、茨木高校がなぜ各界で活躍する人物を輩出し続けられるのかという問いの答えの一端をつかみつつあります。その答えの一つは間違いなく諸先輩の力を頂く諸行事、春の京都大学でのスプリングセミナー、学問発見講座、夏のリーダー養成講座、東京スタディーツアー、京都大学研究室訪問、オータムセミナー、PTA進路講演会、卒業生講座、そして課題研究での触れ合いです。各講座の目標に沿った内容のご提示、講義で学ぶべき本質的な部分はもちろん、人生で歩を進めるということに対して先輩として半歩だけ前から、等身大の、包みこむような、ほのかに温かいお声がけ、言葉がけ、そして思いを届けてくださっています。 今年度、伝統ある体育祭、宿泊野外行事を実施することができました。行事実施後コロナウイルスとの戦いもあり、両行事ともゴールまでに様々な困難がありましたが、それぞれの役割を果たしてくれた仲間にねぎらいの言葉をかけ、お互いに讃え合う姿を見せてくれました。体育祭では通常想像できないような結末を迎え、奇跡の方程式の中にある感謝の大切さを再認識する行事となりました。妙見夜行登山でも76期生は凛々しく、毅然と、仲間を鼓舞する妙見夜行登山委員の大いなる力を得て数多くの生徒が50数キロを走(歩?)破しました。自主自律の精神は今も息づき、受け継がれております。
明日は文化祭です。芸術の秋を満喫できる一日となることを期待しております。 久敬会の皆さま方には、2025年の創立130周年の記念事業にもお力添え、ご支援いただきますとともに、母校の教育のために、日々の授業をはじめ学校行事、課題研究など様々な場面で引き続きご指導いただきます。今後とも厚いご支援、ご協力をいただけますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、私のご挨拶といたします。ご清聴ありがとうございました。