昨日、硬式テニスの公立校大会で今週末の近畿大会への出場が決まったという報告をしに来てくれた。大阪大会での状況と近畿大会での抱負をお聞きした。大阪での順位は決めているわけはないのでおおよそのことを告げてくれ、近畿大会については少し口ごもる様子であった。理由は、2回戦で全国レベルの力を持った非常に強い選手と対戦するということであった。その言葉を聞いて「勝負は何があるかわからないのでベストを尽くしてください。」という声をかけた。心から発した言葉であるが、率直に言って近畿大会に臨む中で現状を分析し、持てる力を発揮しようとする彼の言葉やこれまでに重ねてきた努力に届かないような気がした。校長室で次の大会での抱負と言われれば、その場を収めるために「がんばります」という言葉を添えればセレモニーは終わる。そう考えず、自分の力を見極め、相手の強さ認め、そのうえで自分ができることが「何か」を伝えようとしてくれるその姿勢、その態度に心を撃たれた。「言えること」を誠実に届けてくれた。
お昼過ぎには、IBARAMAⅢ(プログラミング自由課題)の発表の観覧可能チケットを持ってきてくれた。チケットには「来てください」の文字。国際交流ではいつも大活躍してくれる生徒からのお誘いだ。今年度は他にもお誘いがあったが、予定が合わなかったことが数多くあった。「言いたいこと」を告げてくれる機会に恵まれた。
放課後には1年生3人が、校長室を訪れた。「カンガルーをください。」1年生の授業の中で話を聞き、訪れたということであった。ドアをノックした勇気とたくさんのカンガルーを見たときの驚きに満ちた表情に乾杯である。
先週は、妙見夜行登山の委員長さんが生徒玄関のところで行事の成功、その中で得た成就感、感謝の気持ちについて話してくれた。詳述は学校の近況ブログに譲るが「言いたいことと言わなければならないこと」がうまくブレンドされ自然体で「これから」へ向かえる素敵な言葉を投げてくれたことに言いようのない幸福感に包まれた。
1月31日、術後検診から家へと向かう途中で小学生の下校する風景に出くわした。駅へと向かう長い通路の曲がり角のところに警備員の方が立っておられた。様々な学年の小学生たちが「さよなら」を告げた。警備員の方もその度に会釈された。一人が「寒い中お疲れさまです。」と声をかけた。虚を突かれた警備員さんはどぎまぎしながら頭を下げた。声をかけた小学生にとっては感じたままを告げただけだったのかもしれない。警備員さんの喜びはいかばかりであったであろうか(私ならジャンプしてしまう)。そしてそのやり取りの中で「さよなら」を飲み込んでしまった低学年の小学生もいた。「明日があるからね」と心の中で呟きながらその後姿を見送った。「言いたいこと」「言えること」「言えぬこと」。やさしさ、思いやりを届ける言葉を多くの人が発することができる世界、そして思うように伝えられない人の心を受け止められる世界になるよう力を尽くしたいと感じる機会をもらいました。ありがとう、茨高生、ありがとう小学生のみなさん。ありがとう。寒い中で見守ってくださる警備員さん!