Sun

教育界は大きな曲がり角に差し掛かっている。ゴールが変わらない。伝えなければならないことも変わらない。働き方を変えなければならない。働き甲斐は変えてはいけない。「かい」と「かた」50音順に並べれば、『甲斐』が「方」の前に来る。どちらも大切なことだ。

 教育実習生を再来週27日から迎えることになる。教育界の宝だ。宝物だ。本日の説明会の冒頭でご挨拶をした。実習生、生徒のみんなにとってよき機会となりますように。

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以下ご挨拶です。

皆さん、こんにちは、茨木高校校長の高江洲です。よろしくお願いします。

昨年は皆さんが経験されていないコロナウイルス感染症という表現を使いましたが、今年実習に来られている72,73期生は程度の差はあれ、感染症とともに学生生活を送ってきた経験をお持ちです。感染症後の世の中の大きな動向の変化とともに教育も大きな揺らぎの中にあることをどこかで感じておられるかもしれません。

茨高にとって継承していくべき「自主自律の精神」が生徒たちとの触れ合いの中で感じられる機会があれば、それは皆さんの人生、そしてこれからの世の中にとっても大きな財産です。そして皆さんが教育の世界に身を置くことになればそれもまたとてつもない宝物を手に入れることになるのだと思います。授業中、授業外で言葉を交わす機会があればぜひご自分にとっての「茨高」を語ってほしいと思います。

3点お願いがあります。

各家庭、そして社会にとって宝物である(みなさんもかつてそうであった)生徒をお預かりしているのが学校です。皆さんが対処できないような出来事と出くわすことがあれば、一人で抱え込まずに、迅速に指導教官に相談していただき、丁寧に、正確に情報共有をお願いいたします。

 2点めは、私が授業の見学に行くことを大きな心で受け止めてもらうことです。今年3年めですが、過去2年、毎年1名の方の授業を拝見し、お話しする機会を頂いており、その中でいつも示唆に富むやり取りを経験してきました。ここにいるどなた(もしかしたら全員?)とそういう時間が過ごせるのかはわかりませんが、是非、是非授業を見せていただきたいと思います。(校長ブログの「忘れ物」2023.6.29、「誰か...」2022.6.11にその様子を綴っています。時間があるときにご覧いただければと思います。)

 最後は授業に関してです。教育実習のメインは授業です。授業のGoal(2週間、各時間での)を指導教官と密に話し合い、共有できれば、あとはいかに良質の「問い」をどのタイミングで、どう効果的に発することができるかにかかっています。いい -Task- の中には、適切な -ask- が含まれています。いい「課題」の中から、実りある「果実」が生み出されるのです。しっかりと授業の目的、教授内容、題材、教材、そして生徒たちと向き合い、興味深い「問い」を授業の中に編み込んでください。生徒にとって面白いと思う範囲が広がり、学びたいという気持ちを育む機会が1度でも訪れれば皆さんの教育実習は成功です。Key Wordは3.03cm、1尺の10分の1、ほんのわずか、少しを表す漢字です。さてその漢字は何でしょう?ペアでどうぞ!(なかなかさっとはできないですよね)

いま私がしているように、生徒に「」して、どんどん「」ねてください。そして生徒の心を「」抜いてください。そしてより高い境地へと生徒を「」いてください。「」ぶ気持ちや、「感謝」の念が生徒との間で行き交うことは教育実習中の大きな成果の一つとなるでしょう。

6月7日に先生たちご自身がご自分や生徒の変化に気づき、心動く瞬間を心に抱いて実習を終えられること、そしていつの日か教壇に立たれ生徒を導く同僚となられることを心から願い、祈り、応援しています。よき2週間となりますように!