「挿入を見抜く」授業の最初のトピックだ。システマティックに読めるよう的確にアドバイスがなされる。次の読解の教材。5つのパラグラフからなるエッセイ。中身をあまり伝えると後の授業に支障が出るかもしれないので避けることとするが、第1パラグラフの内容が第5パラグラフと有機的に結びつき、前段階で前置詞の違いの説明をしながらその内容をうまく利用して最後のまとめをするなどさらっと見ていると気づかないような細かな配慮が幾重にも編み込まれている授業を拝見した。教育実習生の研究授業の一コマだ。
スライドの中の本文の記号付け、かっこ付け。繰り返していけば着実に精読の技術が身に着くように作り込まれていた。理系で歩を進めてきたからこそこの読み方を伝えたいということを授業後の振り返りで話してくれた。
授業の最後のコメントを聞いた生徒からの悲嘆、非難の声。思わず出た「感無量」の言葉は、先生の"Very Good", "Nice Try"と生徒とのやり取りのなかでかけ続けた言葉から生まれたものだ。ほんのわずか一週間でここまでの味を出せるのか。教育界が明るくなる兆しが見えてきた。生徒のみんなのあったかいまなざしが実習生の背中をそっと押していた。
We have nice students, who are warmhearted to the student teacher.