「おはようございます!」校長室の両側の窓から挨拶の声が聞こえる。令和6年度第1回学校説明会の朝の一風景だ。本校在校生がお越しくださる参加者の方々をお迎えし、生徒、保護者の方々へいずれの経路で会場へ向かえばいいかをご案内をしている。
本校の説明会は、中学生に対しては本校在学生が、保護者の皆様には教員、生徒代表、PTAの役員の方にお話を頂いている。本校スタッフを始め、お越しいただいたすべての人にとって有益なものとなることをめざして実施し、ご家庭にお帰りになったときに親子で別々の話を共有し、進路選択の一助となることを狙いとしている。
保護者様向けには、学校紹介DVDをご覧いただいた後、首席より本校の教育についてご説明した後、在校生を代表して3年生、保護者を代表してPTA会長様より話をしていただいた。
3年生からは、中学時代の自分が勉強とどう向き合ってきたかということと、茨木高校での生活について気負うことなく、ありのままに語ってくれた。その日、その週のうちに課題を終えることを心掛け、自分だけの教科書をつくる、まさに自分で考え、主体的に学習に取り組む姿、通塾経験がないことを心の中で揺らぎながらも成し遂げて入学してきた力強さを示してくれた。茨木高校の最大の特徴は、自主自律、生徒主体。1年時の体育祭。3年生の先輩がすべてを終えた後に語ってくれる姿の中に示される何かをやり遂げた後の達成感のすがすがしさ、恥じることなく、臆することなく自分の夢を語る友達の高い志。そんな仲間や先輩がいる日常の生活の中で、自身も理系の道へ進み、自分の興味、関心がある分野を極めることを第1義としながら、文学の道も同時に志したいという思いを届けてくれた。スピーチの内容はもちろんだが、プレゼン時のCatch, Hold, Releaseの会場への語り掛け方は秀逸で、そのスピードもタイミングもそして聞く人に対する心配りも抜群であった。開会の前に緊張をほぐそうと話しかけた際に、「このような場でお話しできる機会を頂き光栄です」と笑顔で応じてくれた。背中を押すつもりでかけた言葉は、倍以上の力で私に立ち上がる力をくれた。
PTA会長様からは本校で企画されている様々な講座についてのご紹介をしていただく中で、多くの「茨高愛溢れる」卒業生のお力添えがあることを伝えていただいた。お子様の行事の際の関わりや部活動での様子をお話しいただくことで会場にいるご参加された方々の笑顔を誘ってくださいました。日頃から学校をよくご覧いただき応援して下さっていることを感じ、背筋がピンと一直線になりました。
2年生は前日まで宿泊野外活動で伊丹空港に20:00着であったにもかかわらず運営にかかわってくれている姿にただただ感謝です。同様に多くの先生方、準備、運営にご協力、ご尽力いただきありがとうございました。
中学生とその保護者のみなさまにとって、これからの人生を考えていく上での第一歩になれば幸甚です。
以下は冒頭の校長挨拶です。
本校は自主自律を掲げ130年近くその精神を大切にしてきました。昨日までの宿泊野外活動で生徒同士、先生方と生徒のやり取りを見る中で改めて、「待つ」「観察する」「見守る」「声掛けする」(ローマ字になりますがMKMK)ことがこの精神の涵養に必須であると感じました。ただ生徒にまかせるだけではダメである。観察をきっちりできるから少しの変化を見逃さず、適切な場面、適切なタイミングで声掛けができる。観察の根っこには、暖かい心があり、それが見守りにつながっていく。非常に時間がかかり、その成果は測りにくい。世の中の大きな流れを受け止めながらもこの精神の涵養に力を尽くさなければならないと強く感じた4日間となりました。
今日の説明会で、保護者のみなさまには4つの「ダン」をお考えいただく機会としていただければと思っています。説明をお聞きになって「診断」いただくこと、そして「判断」され、「決断」していただくことにつながっていくということです。
どれも「断つ」「断る」という漢字の入る強い言葉ですが、ここに4つめの「相談」していただくことを加え、お子様とじっくりとお話しする機会を得ていただければと思っております。土曜の朝という貴重なお時間を頂く中で、お子様の進路選択の一助となることを心から願い、私からのあいさつといたします。
説明会終了後、
①一昨年卒業された保護者の方からお子様の進路決定のご報告があった、第1志望への合格と受験の際にカンガルーを携えていたこと、支えになっていたことをお伝えいただいた。望外の喜びである。その事実がうれしいことと同じくらいそれをお伝えくださろうというお気持ちが何より心に響きました。
②教育に携わるお仕事をされているという保護者の方からMKMKについてのご質問があり、教育の発達段階を貫く縦串で大事にしなければならないものについて共感しあいました。
貴重なお時間ありがとうございました。