夏休み前最終登校日。「あっつ」という言葉とともに生徒玄関へ到達する生徒のみんなとここから一月ほど直接お話しする機会がないことを踏まえ、心からの「おはようございます」を30日分届けることを心掛けた。学習、部活動、行事、この夏休み、様々な分野で自分と向き合う機会となりますように!
全校集会にてライフル射撃、陸上、テニス、水泳。それぞれの大会での活躍を讃える表彰、近畿大会、全国大会へとつながる躍進をお伝えした。生徒部長からのメッセージとして最後に追加して伝えた伝統の大切さはぜひ心の中に落とし込んで欲しい言葉であった。「コト」が「モノ」になるには多くの時間と不断の努力が必要だ。そこに「労」がなくなることがこの時代の一番の恐ろしいところだと思っている。集会のあいさつの中でその想いをお伝えした。以下がメッセージである。
いつものように聞き手の力に依拠するスピーチです。ペアで考えてください。輸出する、輸入する。英語で何?印象(感動)を与える、表現する。英語で何?
Produceの名詞形2つ。 Product ,Production名詞的名詞(モノ型名詞)動詞的名詞(コト型名詞) 3つエピソードを表現します。どんな印象を持つでしょうか?
テーマは言葉にできない。
1つめ 時は昭和
大学時代 臨床心理学 来談者中心療法 ロジャーリアン採用試験に落ちて講師として初任校に赴任。朝早く登校し、窓を開け、廊下の掃き掃除をする生徒が泣きじゃくる。かける言葉が見つからない。 世の中の「世」、世間の「世」が何で、中も間もわからなくなった。
2つめ 時は平成幕開け
式当日、委員長のバッサリ切ったかみ形に心奪われ目標達成を誰もが確信した時、クラスで一番まじめな無遅刻、無欠席の生徒がソバージュを当てて登校してきた。式後、全員が一人一言教室で話す中で、1年間で一度だけ自分のことも見てほしかったと告げる姿。30年以上前だが今も忘れられない。
3つめ 21世紀に入って3年の歳月が流れたころ
オーストラリアから帰国、新校立ち上げにかかわる。朝も夕もなく働き詰めに働いた。10数年にわたって働いている同僚にがんだと告げられる。そしてこのことは誰にも告げないように頼まれた。追いかけたい夢、理想。ご本人の思い、がんばり。当時、大阪で初めての学年単位の海外宿泊研修、ホームステイ。成し遂げたものは多く、誇れるものは数限りなくある。棺の中で彼の顔のすぐ横に置かれたセンチュリーの辞書。こよなく愛した辞書だ。英語の教え方で激論を交わしたことを思い出した。
20世紀、昭和、平成、21世紀と遡ってエピソードをお話ししました。言葉にすることを生業とする自分が言葉にできないことに向き合った経験です。
時代が移り変わる中で変えなければならないこと、変えてはいけないこと、変えたくてたまらないこと、いろいろなコト、モノがあると思います。私のみなさんに対するexpressionがどのようなimpressionを生み出すのかは未知数です。今の時代はwriting「執筆すること」「執筆されたもの」が秒を越えずに同居する時代です。だからこそexpressとimpressの持つ意味を常々、深く考えたうえで携わらなければならないことを共有することが大切だと感じています。
令和という時代の中で、昭和、平成を生き抜いてきた私も自問自答する毎日です。生徒の皆さんや先生方を幸せにすることを「目標」として本校に赴任して3年が経ちましたが、この大きな波の中でその「目標」は「夢」に変わりつつあります。令和の働き方改革の中で、生徒、先生方の心身の健康を守っていくために3つ目のエピソードを思い起こして、立ち止まって、生徒、先生方双方の幸せについて考えなければならないのかもしれません。生徒のみなさんの「知恵」と「力」が必要です。時間は有限、でも皆さんの心の中にある宇宙は無限。どこまでも広く奥が深いものだと信じています。これからの令和の時代を生き抜いていくために、大切なPress。どう感じ、どう表現し、どう受け止め、どう味わうか。みんなの心の宇宙から湧く知恵と力をもらいながら、有限な時間の中で夢を叶える可能性を追いたいと思います。よい夏休みを!
校長ブログ単語クイズ Great-Road-Interestについて多くの生徒が応えてくれようとしている姿に感激。またその差が僅差であったことに更なる喜びを感じました。ありがとう!