Drips

8月20日、生憎の雨。3年生77期生の1か月ぶりの登校。8:10ごろは霧雨も上がり傘が必要のない時間帯となった。傘を閉じて、いつものように箒で水を掃き流しながらそれぞれの生徒のみなさんの夏の時間の過ごし方に思いを馳せる。受験勉強の進捗状況、一方、体育祭の準備のはかどり具合(WBを見ると叫びのように見える文字も踊っている)、部活動で最後の瞬間まで力を振り絞ったことなど、それぞれがこの酷暑の中で歩んだ道筋を思い浮かべてみる。 ポタッ。めっきり外敵から身を守れなくなった頭髪が、雨が落ちてきたことを示す。降ってない。でもポタッ。そう、生徒玄関は扉以外の部分の庇が、実は雨を凌げない。何度も何度も雨粒が落ちてくる。雨水を掃きながらふと気づいた。雨粒に抉られた床石の姿だ。水滴が何(十)年もかかって石を抉る。その力に圧倒された。一滴の雨粒が繰り返し、繰り返し落ち続けることで岩に穴をあける。 不可能に見えること、自分のちっぽけな力ではどうにもならないように思えること、今という点にだけ焦点を当てるととても叶わないように感じることが、できるようになるかもしれないと雨粒が教えてくれた。Hitでも、Strikeでもない。繰り返し同じリズムで打ち続けるBeatだ。体育祭、入試、そしてこれから訪れる様々な、向き合わなければならない課題に打ち勝っていく。心臓の鼓動のように着実に打ち続けていくことでそこに生命を宿らせ、活力を与えられるんだということを示してくれた朝の一幕でした。

 

さあ、今日(8月21日)から全学年そろってのスタートです。よい一日になりますように!