秋、深まる

2024年度下半期がスタートしてから一か月。茨木高校は後期をスタートする日を迎えました。始業式を終え、部活動表彰。文化部、運動部、それぞれの大会で顕著な成績を讃えて表彰を行いました。一つひとつ、一歩一歩、一描き一描き、一かき一かき(ワンストローク)の積み重ねがこの成果につながっていることに敬意を表したいと思います。

学びの報告会では三重県伊勢志摩での地域医療体験、GLHSアメリカ研修でのサンフランシスコでの体験を話してもらいました。

医療体験では患者さんとのやり取りの中で、否定も肯定もしないことやコミュニケーションが会話だけで成り立つものではないということ、また、医師は病気を治すことだけが仕事ではないということを学んだというお話をしてくれました。61年生きてきた自分がこの夏ようやく感じたことを、医療現場で、10代で、しかも志を持って得られた体験はご自身にとっても、そしてこれからの社会にとっても得難い機会、時間であったことだと思います。

GLHSアメリカ研修では、3つの大学カリフォルニア州立大学イーストベイ校、UCバークレイ、スタンフォード大学、Twitch、Plug and Play などの企業で得られた様々なことを報告してくれました。AttendanceをParticipationにするためのReactionとQuestion。Presentationをするために必要とされることとしてのElevator Pitch。学びを吸収して、毎分、毎秒、音を立てて成長する姿、日ごとに一日の時間が分厚くなるのを肌で感じる8日間となりました。

 最後に、トビタテ留学JAPANについて3年生が自らの体験のアウトラインを話し、より詳しい話を聞きたい人のために期日を示して説明会を開いてくれるという告知がありました。聴衆の立場に立って、より有効な機会に、より有用な情報を与えてくれようとする姿勢に暖かさ、頼もしさを感じました。

 それぞれの体験が、一生ものであったこと、そして、その喜びを、感謝の気持ちを伝えてくれようとしたことが会場全体で共有されたことに大きな意義、意味があったように思います。それぞれの体験、この会での発表の準備に費やされた時間に敬意を表したいと思います。ありがとうございました。

 いよいよ後期が始まります。生徒一人ひとりのみなさんに一生ものの体験ができる機会が舞い込みますように!(今日から生徒玄関にカンガルーボックスを持参します。77期生の受験の応援団として使ってもらえればと思います。どうぞ声をかけてください。)

以下本日の校長挨拶の抜粋です。

おはようございます。

みなさんの力を貸してください。「拒否する」という意味の単語を3つ挙げてください。 Refuse Reject Decline ですね。次にこの3つの拒否の度合いを弱い方から順番をつけてください。Decline<Refuse<Reject ですね。では何でこの順番になるかを説明し合ってください。話し合った中で、この人の説明すごいと思った人、あるいは自分の説明がすごいと思った人がいたら前で説明してくれませんか。 英語を語源で理解。Reは「元に」、「後ろに」、ここから転じて「再び」を表す接頭辞です。 fuseは注ぐ 共に注ぐconfuseは「混乱し」、中にそそぐinfuseは「注入する」。離れて注ぐDefuseは「拡散する」。 Jectは「投げる」. 前に投げるprojectは「計画」。中に投げるinjectは「注射する」。 後ろにそそぐrefuseと後ろに投げるrejectを比べるとrejectの方が強い拒否を示すイメージができますか。 Clineは傾く。中に傾くと「~したい気持ちになる」。Recline後ろに傾くreclining seat 離れて、下に傾くと少しのけぞったようなイメージが浮かびますか。はっきりとではないけれど拒否したいニュアンスです。 「拒否する」という意味を表す単語もre, de, fuse, ject, clineそれぞれの接頭辞や接尾語、語根との構成の中で微妙な言葉の違いを表しているんですね。 それぞれが自分の表す意味をいろいろ組み合わせて微妙な違いを表している。役割があって、自分の役割を果たすことでニュアンスの違いを伝えている。自分のありのままでいることが一番正確な意味を伝えるために必要で、大切なこと。代わりは利かない。 人もそう。ありのままでいること。簡単なようで難しい。どう思われているか、自分が何を意味しているかを考えて思い悩む。ありのままでいい。だから伝えられることがある。

~ 中略 ~

どうかみなさん、ありのままの自分を、自分自身を受け入れてください。そして同時に回りにいる友をありのままに理解してください。そして生きるということ、生きているということへの感謝と尊厳を忘れないでください。