多様な他者と共存する

雲がぐっと踏ん張って雨を抱えてくれている様子。お天気の神様が、令和6年度茨木高校第2回学校説明会のために大きな心を開いてくれている。正門から生徒玄関のところまで様々な係の生徒がご案内をしている。校舎内に入ると各館ヘと誘う生徒のみなさん、中学生と触れ合う本校生徒、保護者のみなさんを体育館へご案内する生徒に分かれる。中学生に対するプレゼンはそれぞれの個性で、各部屋、少しずつ独自のものが提供されるのであろう。保護者のみなさまと中学生のみなさんは提供されている中身が違うので、帰る道々、あるいはお家でそれぞれに示されたものについてお話される機会があることを思うと胸が躍ります。そして中学生のみなさん同士も各部屋で違うところがあったところを確認し合うのも本校の学校説明会の本校らしいところだと思います。

いつもと同じように中学生のみなさんがどんなことを体験されたかは推測しかできませんが、校舎見学で歩いている様子、最後のお別れの時に交わす「ありがとうございました。」のやり取りを見ていると、何かが心に残ったのだろうなと思わずにはいられませんでした。

 保護者のみなさまへは、映像をお示しし、スライドを用いた本校教員によるご説明、そして在校生と卒業生の言葉をお届けしました。

 78期生在校生からは受験前の苦しみ、悩み、でもその向き合った分だけ大きく成長できた話、入学前から胸膨らませていた宿泊野外活動、想いが叶わない中で得られた行事委員の人たちの輝く姿。Beyond I in Singaporeで越えた、「私」そして茨木高校。大きな礎として春にはシドニーへのTOBITATE JAPANへの挑戦。「茨高生になる」の意味をまさしくRecognizeしながら過ごすキラキラする姿は自身の発表を体現するものになっていたように思います。

76期生卒業生の「茨木高校と神社の共通点について語る」発表の冒頭部分はドキュメンタリー番組のナレーションかと思う新鮮な輝きがありました。境内の何かに触れざわざわとする感覚が茨木高校の中にある。それは茨高の中で様々受け継がれてきたものが醸し出す何かなのではないか。失敗をしてもその結果のみならず挑戦をする機会が与え続けられる。ご自身の体験と照らし合わせながら、自己が多様な存在で、多様な他者と共存する。その他者を理解しようとする中で自己の知らない部分を全力で理解しようとする。自己と他者の多様性を受け入れ、理解しようとする中で生きる。大切なことは自分のすること、自分のしてきたことに自信を持つこと。中学3年生のお子様と向き合う保護者のみなさまに上記のことをお伝えしようと今日のこの機会を受け入れ迎えてくれたことに心から敬意を表したい。

今日ご参加いただいた保護者のみなさまと中学生のみなさんに分かち合ってもらえること、そして同様に在校生のみなさんにも一度考えてほしいお話だったように思います。

さまざまなこと、ものがあり、さまざまな人がいる。道(しんにょう)を用意し、こと、もの、人と遠ざかる方向へ進むと、それは「違」ったり。「逃」げることにつながるのかもしれない。様々なこととのかかわりの中で人(人偏)を大事にし、技術、知識(手編)を用いて向き合うとそこから「挑」むことができ「偉」大なものが生まれてくるのかもしれません。何か大きなご褒美を頂いたような気がしました。

そして、何よりも今年の新しい試みは、78期生放送部員による司会。ご本人は開会前、「緊張しています。」と話していましたが、会の進行、終了後の万雷の拍手はさわやかな笑顔とマッチする素晴らしい役割を果たしてくれた大きな証です。

お越しいただいた中学生のみなさま、保護者のみなさまありがとうございました。みなさんの進路選択の一助となることを心から願っております。準備に関わってくれたすべての方々ありがとうございました。あいさつの声や案内の呼びかけ、張り紙や、椅子の上に置かれたパンフレット、そしてそれ以前に用意された椅子。その下に敷かれたシート。一つひとつ様々なもの、こと、人に感謝する機会、時間を頂きました。ありがとうございました。

もちろんお天気の神様、傘を用いずにお過ごしいただけました。大感謝です