小さな選択と決断

1月20日(月)全国校長協会の近畿地区の会議に参加するために尼崎を訪れた。30年前、6本のペットボトルを携え、電車を乗り継ぎながらこの地を通り過ぎたことを思い出した。

各府県の校長先生と地域ならではの問題やこの時代に特有のテーマについて共有ができる貴重な機会となった。

文部科学省の調査官として全国の様々な学校を訪れたお話しをいただいた講演の中で、町立の高校に通う高校生の一言が紹介された。小規模な学校で、行事も校則もない。それがたまらなく魅力的だという。その理由は、小さな選択と決断が数限りなくあることだという。繰り返し選択と決断を繰り返すたびに自分が変化することを絶え間なく感じられるという。

1月18日(土)久敬会(茨木高校同窓会)の会議に出席した。校長は、学校の状況をお伝えし、在校生の様子に思いをはせていただく役割がある。午前中の79期生B&Sの積極果敢な姿勢、前日の78期生の妙見夜行登山の委員の人たちの頼もしい言葉、そして77期生が挑む共通テストについてお話した。今回は12月のがん教育についての取り組みをお話しし、自分たちで考え、原案を作り、提示し、人が集まり、学びがあり、これからの人生により良き道を見つけていく様子をお伝えした。小さな選択と決断が繰り返されていたであろうことに拍手を送ってくださった諸先輩、必ずそれが将来役に立つとおっしゃる方、10代の在校生が頑張る姿に刺激を得たとお伝えいただく方、さまざまなお声をいただいた。愛情に満ち溢れた同窓生の皆さんとこれからの人生で好奇心をエネルギー源にして世の中を創造していく在校生をつなぐ役割を果たしたいという思いを強くした。

翌、1月19日(日)は五校(市岡、茨木、春日丘、北野、豊中)合同演奏会に足を運んだ。各校のそれぞれの特色を思う存分生かした演奏(音も人も動く)も合同であるからこそ育まれたであろうハーモニー(重厚とはこのことか)も2度と同じものを聞く機会が得られない曲、曲、曲であった。

多様性を尊重する時代だ。個性を重んじる時代だ。みんなが違う楽器を演奏しながら、出せる音の違いを生かしながら奏でられる。まさしくこれからの時代(当然これまでもだが)、言葉を超えたコミュニケーションのツールとしてより大切なものとなっていくだろう。演奏はもちろん素晴らしい。それを目的で訪れ、心行くまで自分を洗い流せた。ひそかな楽しみだったのは、「休憩です」とMCが告げた後、舞台上でセッティングに懸命になる高校生を見ることだった。損得関係なしに、気づいたことをどんどんやる。少しでもいいパフォーマンスをみんなができるよう心を尽くして様々なものを大急ぎで運んでいた。心洗われた。

お世話いただいた顧問の先生、指揮をしてくださったエキスパートの皆さん。ありがとうございました。小さな選択と決断の連続だったであろう5校の生徒の皆さん、お疲れさま、そしてありがとう!