雨を凌ぐ

 庇があるのになぜ傘を?多くの人は疑問を持つと思う。しかし、実は、生徒玄関のところは庇にたまった雨水がたくさん落ちてくるのだ。校長一年めの時には気づいておらず、生徒を迎える自分が一番濡れていることがあった。ではなぜ傘を持たないのかという疑問が次に訪れる。それは実は「雨落とし」以外のところには水が溜まりやすく、さあ一日を始めようというその矢先に靴下が濡れてしまうという気を削がれるようなことがあってはならないという想いからSweepすることにしたからだ。ざざぶりの時は箒敗戦。さながら試合放棄のようになってしまうこともよくあるが善戦したいのが人間の常だ。これから少しずつ雨との戦いも増えていく。どうか気を付けて通学してください。玄関の水たまりは引き受けた。

 今日初めて、明らかに1年生と2,3年生の違いに気づいた。それは、1年生は浮かぶ傘を見ながら、うなづいたり、首を傾げたり、「ほーっ」というか顔をしたり何らかの「気づき」のようなものを示したが、2,3年生は間違いなく日常の風景として処理をしていた。

 何か幸せな時間だった。雨は降る、でもいつか止む。生徒のみんなの衣服が早く乾きますように!