研修開始時刻が迫ってくる。一人ずつ、各校の代表者が会場にやってくる。初めて会う人がほとんどだ。緊張している様子が手に取るようにわかる。席が決まっていないことを告げる。自由に席を選べることを知る。空席がたくさんある状態、すっと横並びにはなりにくい。少しずつスペースに余裕がなくなってくると、隣に座らざるを得ない。あいさつが始まる。少しずつ声が大きくなる。笑顔が見られる。引率の方のお声掛けで1回めの事前研修がスタートした。本企画に力を尽くしてくれた方からの挨拶。力強い視線が注がれる。聴衆のEye Contactの力は話者の力量を上げる。お二方の引率教員のご挨拶で、困るということが人を育てること、選ばれた人間同士のつながりが人生に大きな影響を与えるという話を届けて下さった。うなずきながら、引き付けて聞く姿はやはり力を引き出す。
団長としてスピーチの中で次のように述べた。何かが人を育てる、ヒトなのか、コトなのか、モノなのか、何かが人を育てる。疑問を持とう。気づくことから始めよう。そしてその気づいたことを表現しよう。自分の意見をしっかり持って、相手に対する敬意を携えてTeamになってお互いに支えあって行こうというお話をした。
その後のアクティビティーの中で実践が始まった。「あー」の共感の声。五十音の最初の文字は驚異的な力を発揮する。班を移動するたびに、出会った人たちにかける「お願いします。」班を移動する際の去り際の「ありがとうございました。」献身的に机、椅子を並べ、整えたり、タワーに使った紙を積極的に片づける人たち。3時間に満たない活動の中で得られたであろう、でも言語化できない「何か(Something)」が果てしなくあったように思う。
あと2回の事前研修を経て、7月にアメリカへの旅、そこから2月のプレゼンまで共にする仲間だ。2026年にとどまらず、一生の友として過ごせるような得難い経験が分かち合えることを心から願う。