SSH特別講義「我が国の臓器移植医療の現状」

平成27年7月10日(金)、「我が国の臓器移植医療の現状-臓器移植って、なあに?いのちの大切さを考えてみませんか?-」と題し、大阪大学医学部附属病院移植医療部長の福嶌教偉先生による特別講義が開催されました。
1968年8月8日、日本で初めての心臓移植「和田移植」は、術後83日目にして患者さんが亡くなり快挙報道から一転して大批判ということで、大変話題となりました。その時福嶌先生は小学6年生。「心臓移植なんていうことができるんだ!」と衝撃を受けたそうです。ドナーのことがなければもっとスムーズなのに…臓器そのものを造ることができれば…と考えるようになり、医学の道へ進まれたそうです。
そしてその和田心臓移植事件以後、臓器の移植に関する法律が出来て日本で最初の心臓移植に成功されました。

臓器移植は、脳死臓器移植と生体臓器移植があり、それぞれに問題があります。
脳死臓器移植では、まずはドナーの不足、そして脳死判定の難しさ。
生体臓器移植では、健康な人を傷つけてしまうこと。
臓器移植は、他に治療の手段がなく移植しか方法がない場合のみ行われます。
そして、法律に従い手順を踏んで行います。
ドナーになることを希望する人が、移植を希望する人へ命のリレーが行われます。
子供のうちはドナーを希望していても、家族が望まなければ行いません。
日本は今の法律では、アメリカなどに比べ症例が少ない一方、移植後の生存日数はトップだそうです。それは移植技術に優れていること、臓器(命)を頂いたことに感謝の気持ちが強いことがあるそうです。(ドナーの開閉腹の時に執刀医が黙祷するのは日本だけだそうです。)
できるならば、人の命を待つことなく治療ができたら最高ということで
人工臓器、異種移植(人以外の動物)、再生医療の技術も進んできているとのこと。
こうした研究開発に携わるのももいいですね、と勧めておられました。
臓器提供に関しては「あげたい、あげたくない、もらいたい、もらいたくない」
どれも自由な選択であること。自分の意思、気持ちが一番大切だということ。
この機会に家族や友達と話してみてください。
と、締めくくられました。
尊い命を考える大変濃密な時間となりました。

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