SSHオーストラリアサイエンスツアー 報告!

実施日程 平成28年2月27日(土)~3月5日(土)
実施場所 オーストラリアクイーンズランド州
参加生徒 2年7名 1年13名
事前研修を念入りに行い、実り多いサイエンスツアーでした。FCAC校の生徒教員が本年度来阪したことで信頼関係が強くなったことも大きく影響していると思われます。
FCAC校の中高全校生徒による集会では、代表生徒から日本語による挨拶を受けました。校長先生からも来年の訪日を楽しみにしているとの挨拶を受けました。前年と比較してFCAC校での授業は回数が増え、小学生クラスにおけるティームティーチングや中学高校の科学の授業への参加が増えました。これは、現地校から見た本校生の英語によるコミュニケーション能力の評価が向上したことによると思われます。探究成果の英語によるプレゼンテーションは昨年に続き、FCAC校の中学1,2年生全員が参加して聞いてもらいました。FCAC校の方でも中学生における探究活動も開始されており、本校の探究活動への高い評価も感じ取る事ができました。マッケンジー湖の水質については、FCAC校の教員も協力してその原因を探究することに発展しました。
FCACHP市長.jpg FCAC発表.jpg

FCACHPコーヒーロック.jpg ホームステイ.jpg
昨年に引き続き2度目の訪問となるクイーンズランド大学は、世界各国からの留学生(全学生の27%)が在籍し、国際色豊かな環境にあります。日本から留学した学生が生き生きと学んでいる姿は、本校生に大きな刺激を与え、クイーンズランド大学に留学したいという生徒も複数名現れました。
クイーンズランド大学.jpg
今回初訪問のRSPCA(動物虐待防止協会)では、日本の保健所との比較などの事前学習を含め、生徒の動物愛護に関する考えが深まりました。野生動物の法的扱いが日本とオーストラリアではまったく違うという発見は、生徒のグローバルマインドセットを一気に開花させるきっかけとなったようです。
FCACフレーザーレンジャー.jpg FCAC.jpg
全行程を通して現地添乗員、通訳、現地ガイドなどを介さず行動しました。英語でしか意思疎通ができない環境は、最初は大変ですが、なんとかコミュニケーションを図ろうという努力がみられ、グローバルスキルがより一層向上するという実感を強く感じたツアーでした。
 ■スケジュール■
  2月27日(土)
18:50関西空港から台北経由でBrisbaneに向け出発
  2月28日(日)
10:20Brisbane到着後、バスでHervey Bayへ移動。17時頃Fraser Coast Anglican College(FCAC)に到着し、ホストファミリーと対面。各ホストファミリー宅にに生徒一人ずつが宿泊する。
  2月29日(月)
最初に、Gerard O’Connell市長、Robert Garland副市長、Joe Wright教頭先生から歓迎を受けた後、Kate先生にキャンパス案内をしていただく。10:25からのMorning Tea Brakeで、生徒はバディと対面し自己紹介を行い共に過ごす。4-5時間目に、Collings先生よりESL英会話レッスン、及び3月1日のフレーザー島についての注意事項の話しを受ける。
13:25からLunch Brakeでバディと交友を深める。6-7時間目、3グループに分かれ中学3年生の理科、高校3年生の物理、高校3年生の化学の授業をFCACの生徒と共に受ける。8-9時間目は小学生4年5年のクラスに3グループに分かれて入り、地理や太陽系の惑星についての学習のティームティーチングを行う。
15:15にFCACでのプログラムを終了し、ホストファミリーが迎えに来て各家庭で過ごす。
  3月 1日(火)
7:15にFCAC集合。FCACに長期留学中のオーストリア、ドイツ、台湾の学生も同行した。バスでRiver Headsへ移動し、フェリーでフレーザー島に渡る。Novak先生と他1名の先生が同行。島内では4WDの大型バスで移動した。東海岸では、難破船(Maheno Wreck)を見学し、付近の小川(Eli Creek)の水質調査を実施した。マッケンジー湖ほどではないが、ph5.5前後の酸性を示した。Pinnnaclesではカラーサンドの地層の観察を行った。腐葉土を含んだ砂が固まった岩(Coffee Rock)に触れる事もでき、島での淡水をためるシステムについても理解が深まった。クラゲ、マングローブの種、コウイカの殻、カニ、ニュージーランドから流れ着いた軽石(火山噴出物)の観察も行った。昼食後フレーザー島のレンジャーの方からディンゴに出会ったときの対処方法についてプレゼンテーションをしていただいた。すぐそばで、1mを超える大きなとかげ(Goanna)を見ることもできた。降雨林(Rain Forest)を散策し、絞め殺しの木(Strangler Fig)や珍しいユーカリの木(Flooded Gum)、大きなシダ(Giant King Fern)等の観察を行った。熱帯雨林の中も足下の地面が細かい砂で、島が砂でできていることが実感できた。3種類の湖のひとつのParched Lakeであるマッケンジー湖(Lake Mckenzie)での水質検査では昨年と同じく水質はph5付近の酸性で雨水が原因であるといえる。小さな小魚はMoguruda Sdspersaと呼ばれる淡水魚であることも判明した。フェリーでHervey Bayに戻りバスでFCACに18:00に到着。ホストファミリーが迎えに来て各家庭で過ごす。
  3月2日(水) 
8時30分よりMiddle and Senior School Assemblyに参加し、FCAC代表生徒から日本語による挨拶、LeisaHarper校長先生から歓迎の挨拶、FCAC生徒による歓迎の演奏で迎えられた。本校から2名の生徒が代表として英語で挨拶を行った。2-3時間目、Novak先生によるフレーザー島の振り返りのレッスンを受け、班ごとに英語でプレゼンテーションを行った。Morning Tea Brakeの後、10:50からの4―5時間目、課題研究の発表会を中学生の前で2グループに分かれて行った。内容は以下の通り。
           1.The secret of Natto
           2.Float on the wind
           3.Chladni figures
           4.Activated Carbon Capacitor
           5.Human motion captured by the computer
           6.Kendama
           7.Boy meets girl
           8.Machiya
           9.Alcohol fermentation
          10.We want to make a lunar rover
          11.Effect of Culture Salt Condition on Koji Mold Growth
          12.Introduction of club activities of Ikuno high school
6-7時間目は3グループに分かれ、中学3年の理科、高校3年の化学、中学の探究(29日に受けた物理の授業は一般相対性理論の授業で本校生には難解であったため変更していただいた)の授業を受ける。1:10のLunch Brakeより、ホストファミリーも参加してFarewell Barbecue Lunchを実施。Harper校長先生から修了証をいただく。その後ホストファミリーと共に各家庭で過ごす。
  3月3日(木) 
8:00にFCAC集合し、バスでBrisbaneへ移動。途中マウントクーサからBrisbaneの町を眺め、ホテルへ移動。到着後、徒歩でクイーンズランド州立博物館を訪れる。フレーザー島での自然観察の復習、その他のオーストラリア特有の動植物やアボリジニについての学習を行った。
  3月4日(金) 
ホテルに荷物を預け、シティーキャットでクイーンズランド大学セントルシアキャンパスへ移動。9:30―10:30、クイーンズランド大学獣医学部Joanna Meersウィルス学准教授による「オーストラリアの野生動物のレトロウイルス」についての講義、日本オーストラリア野生動物保護財団理事長の水野哲男先生の解説を受けた。人間のエイズウイルスに匹敵する興味深い話しで、講演後生徒からも多くの質問が飛び交った。10:30-11:30、日本からクイーンズランド大学に留学中の2名の学生、日本オーストラリア野生動物保護財団のJackson de Laat氏の案内によるクイーンズランド大学の施設見学を行った。途中、日本からクイーンズランド大学大学院に留学中の学生も加わった。生徒にとっては5万人の学生のうち27%が海外からの留学生である国際的な大学の中で、目を輝かせて学ぶ日本人留学生の姿は大変刺激的に感じられたようだった。2:00―3:00、RSPCA(動物虐待防止協会)で所長による施設についてのプレゼンテーションを聞き、日本オーストラリア野生動物保護財団理事長の水野哲男先生とJackson de Laat氏の解説を受けた。オーストラリアでは4歳からRSPCAの存在について教育を受け98%の人が存在を知っていること、日本とオーストラリアでは野生動物の法的扱いがまったく違うことなどに生徒は刺激を受け、多くの質問が飛び交った。3:00から保護された動物と施設を見学した。犬や猫はもちろん、馬、牛、豚、トカゲ、蛇、カラス、その他有袋類などが収容されていた。猫に襲われたとかげ、交通事故に遭ったへびなどが手厚く治療を受け保護されていた。治療の困難なpossumを安楽死させる場面にも遭遇した。多くの市民が、保護された動物の新しい里親になるべく訪問していた。バスでホテルにもどり荷物を受け取り空港へ移動。ブリスベン空港から台北経由で関西空港に3月5日に帰阪。
   

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