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2020ミラクルチャレンジ(スーパーチューズデイ) 特別講義・生徒レポート

生野高校では、SSHに関する授業外のさまざまな取り組み(校外研修や特別講義など)を、「ミラクルチャレンジ」と呼んでいます。

今年度は、その「ミラクルチャレンジ」に「スーパーチューズデイ」という取り組みが加わりました!!

これは、今までは、「SSHの探究を行っている生徒」を主な対象に随時開催していた特別講義や、その他の「SSHⅢ期目として始める取り組み(実験教室やディスカッションなど)」を、 基本的には「火曜の放課後」に決めて行うことで、 「SSHの探究はやっていないけれど、理系の勉強に興味はある生徒」も、他の諸活動とバランスをとりながら、こういった行事に参加がしやすくなるようにしたものです。

今年度は、残念ながらコロナでいろいろな制約がかかることになりそうですが、それでも、三密を避けたり、ICTを取り入れたりしながら、可能な取り組みからすすめていきたいと考えています。

さて、去る7月14日(火)、今年度1回目のスーパーチューズデイを実施しました!

この日は、岸上獣医科病院の岸上義弘先生をお招きして、「医科学の今後の方向性と再生医療」というテーマで特別講義をしていただきました。以下に、当日参加していた生徒のレポートを引用します!

(「ASEAN」というのはペンネームです。「ASEAN」さん、素敵なレポートをありがとう!)

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「獣医学から学ぶ再生医療の進歩」

                       P.N. ASEAN

7月14日に岸上獣医科病院院長の岸上先生から再生医療についてお話を伺いました.先生は獣医師である傍ら再生医療の研究をされており,再生医療の確立に精力的に取り組んでおられます.

講義は細胞の話が中心ですが,獣医師としての体験談を交えた説明は面白かったです.特に印象的だったのは下半身麻痺のイヌが治療後の一日で歩けるようになった話です.治療には幹細胞治療が用いられましたが,外科手術とは違い患部を刃物で切るようなことはしません,幹細胞を点滴で投与する治療法です.この幹細胞治療の魅力は患者に負担をかけない,低コストであるということですがなんといっても完治の早さには驚かされます.後遺症はおろか,自然治癒に劣らない再生力です.あたかも魔法のような話ですが,獣医学界ではすでに普及している治療法であるとおっしゃいました.

IPS細胞はよく耳にしますが,身近に感じることはありません.しかし動物に対しては普通に施されている技術なので,私たち人間へ再生医療が応用されるのは遠い先の未来ではないと思います.今回はイヌやネコの治療をはじめとした獣医学の観点から再生医療について触れられましたが,獣医学が人間の医学よりはるかに進んでいるということは意外でした.面白いことに先生は,獣医師であるのにも関わらず,人間の再生医療の研究者の方に呼ばれて相談に乗ることがあるそうです.こうした再生医療の研究は枠組みを超えて様々な研究者が多面的に関わっていることが事実です.まさに各分野が融合した研究ではないかと思いました.むしろ獣医学の方が人間の医療の向上に一役を買っているというのが現代医療のあり方です.

先生からは獣医学と医学の二つの分野は表裏一体で密接につながっていることと,獣医学では最先端の医療が用いられていることを教わり勉強となりました.普段私たちが病院へ行き診察を受けたり,手当を施されたりするのは臨床医学の世界です.そうではなく根本的な医学メカニズムを追究し,細胞レベルの研究を行う基礎医学の世界について教えていただけたのは貴重な機会であったと思います.

いつも見かける町のお医者さんとは違い,その道のプロである研究者の方の話を伺う機会はまずありませんし,尚且つ岸上先生は医学ではなく獣医学を専門とされていますので,動物の医療についても詳しいです.講義終了後の質問会では自分が以前から気になっていた疑問をぶつけることができ,時間の許す限り答えてくださりました.

一時間という時間でしたが,興味深く楽しく過ごすことができました.再生医療は今後も発展していくのでこれからも見守りたいです.

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