岸上獣医科病院医療セミナー

2月4日(日)午後、阿倍野区にある岸上獣医科病院でのセミナーに、2年生11人が参加しました。

詳細は校長ブログ今日はSSHミラクルチャレンジ、岸上獣医科医院医療セミナーを見学に行きました! にも載っていますので是非ご覧いただきたいのですが、このSSHブログでは、校長ブログで説明できなかったところも少し補足して報告します。

手術室に入る前に、滅菌が非常に大切だという説明を受けました。写真は手術用の帽子をつけているところですが、髪の毛が完全に隠れるようにとのことでした。髪の毛が長い人は、本当は頭の上で団子にしないといけないのだそうですが、ポニーテールの女子生徒何人かは完全に隠すのは無理でした。

手術用のマスクは、ひもが4つの角から4本ついていて、ずり落ちないように後頭部の上と下2か所でしっかりくくるように教えて頂きました。

手術前の手洗いは肘から下をしっかり洗浄し、その後は肘から手先までを上にあげたままにするように言われました。洗い終わった後ついている水滴が手先の方に流れるといけないのだそうです。よくテレビの手術シーンで、医師が両手を顔の前にあげているのを見かけますよね。

手洗いの後、ガウンや手袋のつけ方を教えてもらいましたが、触ってもいいところと絶対さわってはいけないところがあって、これが難しく苦戦していました。

手術前、準備ができたところで記念撮影です。ちょっと医師になった気分です。

手術を受けたのは小さな犬でした。麻酔をかけて、まず胃カメラによる内視鏡検査を見せてもらいました。そしていよいよ本番。避妊手術です。手術の様子はモニターに映し出されて、詳しい解説もしていただきました。座って見学していますが、時々近くへ行って見ることもできました。皮下脂肪を取ったりしながら、切除する子宮周囲の血管を縛って、子宮と卵巣を取り出し切除しました。手術中に縫合糸などを執刀医に手渡しする体験もさせてもらいました。滅菌してあるので、包み紙だけを持って渡すのにちょっとしたコツが必要でした。

この写真は最後に切開したところを縫合しているところです。さすがに縫合はできませんが、縫合が終わった後の不要な糸をハサミで切る作業はさせてもらいました。

これは、切除した子宮と卵巣を見せてもらっているところです。こんなところに赤ちゃんができるのかと思うくらい子宮は細くて小さかったです。

手術見学の後は、血液検査用のプレパラートの作り方実習です。2枚のスライドガラスを使って、1滴の血液を均一に薄く広げて顕微鏡で見るのですが、何度やっても均一にならず、薄くすることもできず、本当に難しい作業でした。看護師さんは1回でとてもきれいなプレパラートを作っておられて、まさに職人技でした。

血液を顕微鏡で見た画像がこれです。これを見て、どういう診断をするのかを説明して下さいました。糞尿の顕微鏡検査についても説明を受けました。

写真はありませんが、別室に幹細胞培養のための各種装置や保管用の冷凍庫、恒温器などが並んだ施設もあり、そこも見学させていただきました。

最後は代表の岸上先生の講義でした。岸上獣医科病院では、根本的にけがや病気を治すことを考えていて、対症療法で終わらせない方針だということ、世の中にはまちがった治療が行われている場合も少なくないというお話をされました。最先端のがん治療についても教えていただきました。

最後に一人ずつ感想を述べ、スタッフの皆さんお礼を言って、セミナーを終了しました。

参加者は医療系進学希望の生徒がほとんどで、実際の手術に立ち会い、取り出された臓器を直接見るという、普通ではできない体験ができて、みんな満足そうでした。手術以外の体験も初めてのことばかりで、将来の進路選択にもつながるとてもいい勉強になったと思います。

カレンダー

2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30