「難民高校生」を取り巻く問題 仁藤夢乃氏講演

11月9日(木)、仁藤夢乃氏から2年生を対象に 「難民高校生」 を取り巻く問題についてご講演いただきました。 『難民高校生-絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル』の著書で有名な仁藤氏からの言葉は、本校生にも大きく響きました。

居場所のない女子中高生らを支援する一般社団法人「Colabo」代表である仁藤氏は、中学生の頃から渋谷の街に出入りし始めました。高校入学後も家庭に居場所がないと感じ、「メイド喫茶」でのアルバイトを始め、ついには高校を中退してしまったそうです。その経験から路上をさまよう生活から抜け出せずにいる高校生に目を向けた活動を始めました。

自傷行為をしている人に「どうしてそんなことをするのか、やめなさい」と言っても、やめることはできません。「リストカットなどの自傷行為には鎮痛効果があり、痛みと同時につらい記憶を切り離す作用があると言います。つらい記憶を忘れることは、生きるために人間に備えられた力であり、自分の身を守るための反応です」と自傷行為のことを説明してくれます。また、「自立とは一人で生きることではない。一人で生きるのは自立じゃなくて孤立。頼り先を増やして、他者と支え合うことが、本当の自立。」とも語ってくれます。

そして、最後に以下の「みんなに伝えたい人権のこと」を述べられました。

「嫌だ」とおもうことがあったとき、「自分が悪いから」「どうせ私なんて」「自分が我慢すればいい」と思う必要はありません。誰かに髪を引っ張られたり、殴られたり、ひどいことを言われたり、束縛されたり、したくないキスやセックスをしなければならなかったり、あなたの安心安全や、自由を奪われること。それは、当たり前ではありません。                                                                           

これまで育ててくれたから、愛しているから、あなたのことを考えてのことだからといって親、彼氏、他の誰にも、あなたに暴力をふるったり、あなたの意志や、安全や、自由を奪っていいということはありません。あなたがしたくないとき、あなたが感じたふりをする必要はないし、AVで描かれているような、暴力的なセックスに応じる必要はありません。避妊をしない性行為は当たり前ではありません。あなたが「嫌だ」と感じたその瞬間から、それは性暴力となります。あなたがしたくないことや、してほしくないことを伝えたり、拒むことができない関係性は、対等な関係ではありません。あなたは、安心して、自信を持って、自由な気持ちでいる権利を持っています。誰にもその権利を取り上げることはできません。

あなたが感じた「嫌だ」「困った」という感覚・気持ちは、あなたの権利、人権が奪われそうになっているサインです。その感覚、気持ちを大切にしてください。あなたは安心してご飯を食べ、学び、遊び、眠り、生活する権利を持っています。誰にも強制されることなく、ありのままのあなたでいる権利を持っています。

あなたは大切な人です。自分を守るために何ができるか、一緒に考えましょう。人の力を借りてもいいんです。私たちはいつでも、あなたの意志を尊重し、共に歩んでいきたいと考えています。

講演後、すぐに数名の生徒が仁藤氏を取り囲み、仁藤氏のツイッターのフォロアーになったようです。

 

 

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