• トップ
  • 2024年
  • 8月
  • 8月12日(月)ニュージーランドの教育システムについて⑦教員研修と教員免許更新制度

8月12日(月)ニュージーランドの教育システムについて⑦教員研修と教員免許更新制度

8月12日(月)ニュージーランドの教育システムについて⑦教員研修と教員免許更新制度

8月1日(木)朝、早めに登校してMount Albert Grammar Schoolの玄関前にいると、通勤して来たPatrick校長に出会いました。前日のSheep worldの話などをしているうちに、この日の朝に教員研修があることを知りました。傍聴させてもらうことにして、スタッフルームに行きました。

8時過ぎから沢山の先生が集まり始め、8時10分には広いスタッフルームのソファーを含めて全ての座席が埋まりました。220人いるという全教員が参加しているようでした。近くにいたフィジーから来たという数学の先生が話しかけてこられたので、何の研修なのか聞くと、教員免許を3年ごとに更新するために、毎週木曜日にここで行われる研修会に出て、新しい知見を吸収しなければならず、免許更新には数百ドルの手数料がかかると教えてくれました。

8時15分には副校長がモニター画面にスライドを写しながら講義を始めました。Patrick 校長も一番前で聴いていました。内容は、最新の脳科学に基づく物事の認識や記憶の定着について解説があり、授業においてICTをどのように使うのが効果的かということについて、グループで話し合いをさせたり、時に笑わせたりしながら学んでいるようでした。8時45分過ぎまで講義があり、続いて、もう一人の副校長が9時過ぎまで、やはりスライドで話をしました。

先生方は全員が真剣にモニターを見てメモを取ったり、自分のPCに内容を入力したりしていました。日本の職員会議や職員研修よりも遥かに聴講人数は多いにもかかわらず、ベテランも若手も集中して聴いている空気が伝わって来ました。

全部の先生がここにいて、生徒は1限をどうするのだろうと、心配しましたが、この研修の日は、生徒の登校を始めから1時間遅らせているとのことでした。

9時過ぎに解散になり、中庭の方を見ると、生徒が徐々に登校してきており、生徒朝礼の準備が始まって、副校長の司会でPatrick校長が話を始めました。

授業時間を潰してまで教員研修をするのには驚きましたが、それだけ教員が新しい知見を学ぶことや、レベルを上げることを重視しているということでしょう。

日本では2009年に教員免許更新制を導入したものの、2022年に制度が廃止になり、その代わりに教員個々の研修履歴を現場で、所属の各校長が確認、指導する制度に変わりました。免許更新は再び不要になりました。

2023年版の高校教員の給与水準比較では、ニュージーランドはOECD平均を上回っていますが、日本はOECD平均を1割以上も下回っています。

もっとも、日本の平均賃金は2021年のデータ比較で、OECD加盟38ヵ国中の25位の43,689ドルで、OECDの平均の56,658ドルを23%下回り、アメリカの79,233ドルより45%低く、ドイツの64,040ドルからも32%低く、ニュージーランドの56,518ドルより23%下で、お隣の韓国の49,705ドルよりも12%下になっている、という悲しい現実を多くの日本人は知らずに働いているのではないでしょうか。

考えさせられることが一杯です。

20240801_084536.jpg

cab745dc54eac1d31a30298b18dda2b160f95956.jpg

20240801_085611.jpg

20240801_085757.jpg

20240801_090344.jpg

カレンダー

2025年4月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30