昨日は1学期始業式でした。
新2年生・3年生となった皆さんの前で話しました。皆の雰囲気が少し大人になった気がしましたね(特に新2年生!やはり後輩を迎えるというのは大きいですね)
始業式で話した内容を下記に載せます。
帰りにモノレールの駅で会った生徒2人から「今日の話、突然昔話が始まるかとビックリしました」「と思ったら普通に良い話でしたね」と言われました^^
少しでも皆さんの心に残ればと思います。
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皆さん、進級おめでとうございます。
いよいよ新しい学年が始まりましたね。
新学期の始まりに、私からは2つ、皆さんにお話をしたいと思います。
ひとつは、昔聞いた海外での実話で、とても印象に残っている話です。
あるところに、双子の兄弟がいました。
その双子の兄弟の父親はいつもお酒を飲んで働かず、団らんのない家庭だったそうです。
やがてその双子の兄弟は大人になりそれぞれ家を出ていきました。
そして十年後双子の兄弟の一人は、困った人を助ける優しくて正義感に溢れた立派な警察官になり温かい家庭を築き幸せに暮らしました。
もう一人の双子の兄弟はお酒に溺れ人生を憂いながら父と同じように暮らしました。
ある時全く同じ環境で育ったにも関わらずその後全く違う人生を歩んでいるその双子の兄弟に興味を持ったある新聞記者が双子の兄弟それぞれにこう聞きました。
「あなたは今、なぜそのような人生を歩まれているのですか?」
新聞記者のその質問に対して双子の兄弟の答えは奇しくも同じ言葉でした。
「あの父親の元で育ったら誰だってこうなりますよ」と。
この話から私が教えてもらったことは、人生は起きた出来事によって決まるかのように思いますが、実は、できごとそのものではなく、それをどうとらえるかによって決まるのです。とても印象に残っている話です。ぜひ皆さんも覚えていてください。
もうひとつは本日の午後、新たにこの吹田東高に迎える49期生に入学式で話そうと思っている話を、皆さんにもしたいと思います。
それは「学校に来る意義」について、です。
改めてみなさんにとって『学校に来る意義』 とはなんでしょう? なんで学校に来ないといけないのか、学校に来るとどんないいことがあるのか。
学校に来る意義に決められた答えはありませんが、「学校」という漢字にその答えは隠されていると聞いたことがあります。
学校の「学」という字は学ぶと書き、「校」という字は木が交わると書きます。
木が成長するとき、時として枝と枝がぶつかります。その時、枝が折れて しまったり、傷ついてしまったりすることもあります。しかし一方で、根っこはぶつかる ことなく、土の中をぬって根を張っていきます。集団の中で、成長過程の中で、ぶつかる こともあるかもしれません。人と人との距離の測り方、社会というものをぶつかりながら 学んでいるのだとおもいます。またその中で、お互いの個性を認め合いながら、自らの個 性を発揮し、根を張って自分をつくりあげて下さい。
「集団の中の個性化」という言葉を、心理学者のユングが使っていましたが、まさに、学校は集団の中の個性化を学ぶ場でもあります。
今日の午後、49期生にこれを伝えて、320名の新1年生が吹田東の仲間になります。部活動などで一緒になる人も多いと思います。集団の中で互いの個性を認め合いながらともに成長する、ぜひ先輩として皆さんにも意識してほしいと思っています。