平成22年度学校評価報告
「平成22年度学校評価報告」
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平成22年度の本校学校評価報告書を掲載しました。
(平成22年3月16日)
平成22年度学校教育自己診断
【対象】
年度 |
実施時期 |
対象 |
回答数 |
回答率(%) |
備考 |
20 |
12月 |
生徒 |
486 |
89.3 |
学年構成
1・2・3年 |
保護者 |
188 |
34.6 |
教職員 |
46 |
100.0 |
21 |
12月 |
生徒 |
268 |
85.4 |
学年構成
2・3年 |
保護者 |
135 |
43.0 |
教職員 |
36 |
100.0 |
22 |
7月 |
生徒 |
126 |
88.1 |
学年構成 3年 |
保護者 |
58 |
40.6 |
教職員 |
19 |
100.0 |
結果について
【集計結果から】
<設問1>
生徒・保護者とも、毎年7〜8割が肯定的な評価である。教職員も20年度は、7割が否定的であったが、年を追うごとに肯定的評価に変化してきている。
<設問2>
昨年度、新たに追加された設問であるため過去2年間のみの比較になっている。3者とも昨年度に比べて今年度の方がより肯定的に評価されている。今年度の保護者の肯定的評価は8割を超えている。
<設問3>
昨年度、新たに追加された設問であるため過去2年間のみの比較になっている。3者とも昨年度に比べて今年度の方がより肯定的に評価されている。
<設問4>
生徒・保護者とも、毎年6〜8割が肯定的な評価である。20年度の教職員は、どちらかといえば否定的であったが、その後は大きく肯定的評価に変化してきている。
<設問5>
3者とも年を追うごとに肯定的評価が増大している。特に、今年度の保護者からは約95%の非常に高い肯定的評価を得ている。
<設問6>
生徒・教職員とも年を追うごとに肯定的評価が増えているのに対して、保護者の方は横ばいまたは後退というところが気がかりである。
<設問7>
生徒・保護者とも年を追うごとに肯定的評価が増えている。21年度教職員の肯定的な意見が前年度に比べてやや減少したものの、今年度は100%が肯定的評価であった。
<設問8>
生徒が5割程度、保護者は20年度〜21年度が4割程度が「欠席や遅刻がある」という意見であったが、22年度の保護者は3割弱と少なくなってきている。一方、教職員の方は9割前後が「欠席や遅刻が多い」と答え、生徒・保護者と大きく考え方がずれている。
<設問9>
21年度の保護者の肯定的評価が若干、減少したものの3者とも年を追うごとに肯定的評価が増えている。特に教職員については、20〜21年度は否定的な意見が過半数であったが、今年度は7割近くが肯定的な評価になっている。
<設問10>
授業中の私語などの授業妨害について、生徒は半数程度、保護者に至っては7割前後が「ない」という判断に対して、教職員の9割前後が「ある」との回答であった。この設問も認識のずれが大きいと言える。
<設問11>
授業中の居眠りについて、約7割の生徒が「ある」との回答に対して、保護者は4〜5割とやや楽観的である。教職員の側は、ほとんどの者が「ある」との意見であり、この設問も生徒や保護者との認識のずれが大きい。
<設問12>
3者とも年々、肯定的評価が増えている。全体を通して、最低でも約6割以上が肯定している。
<設問13>
3者とも年によって、多少の増減はあるものの、全体的に最低でも約6割以上が肯定している。
<設問14>
生徒・保護者とも7〜8割程度が「進路や将来の夢について考えている」としているのに対して、教職員の方は6〜7割が逆に「考えていない」とねじれた評価になっている。
<設問15>
生徒で6割、保護者で8割程度が「学校の様子や友達のことを話す」としているのに対して、教職員の方は6〜7割が逆に「意思疎通ができていない」と先の設問と同様、ねじれた評価になっている。
<設問16>
3者とも、すべてにおいて8割以上の肯定的な高評価になっている。
<設問17>
生徒・保護者とも7〜8割程度が「校則やルールを守っている」としている一方で、平均9割強の教職員は否定的である。この設問も認識のずれが大きい。
<設問18>
生徒・保護者とも6〜7割程度が肯定している。教職員も肯定的評価の方が多いのだが、年々、減少しているのが気がかりである。
<設問19>
3者とも年々、肯定的評価が増えている。全体について最低でも約6割以上が肯定している。今年度に限って言えば、平均8割以上の肯定的な高評価を得ている。
<設問20>
20年度の生徒の肯定的評価が半数を下まわったのを除けば、それ以外は約7割以上の賛同を得ている。
<設問21>
設問20と同様、20年度の生徒がどちらかといえば否定的であったのを除けば、それ以外は約6割以上の賛同を得ている。また年々、肯定的評価が増えている。
<設問22>
今年度、やっと生徒の肯定的評価が過半数を超えた。保護者の方はほぼ6割と横ばいである。教職員が20年度こそ4割程度の肯定的評価であったが、この2年間は持ち直している。
<全体を通じて>
この3年間、生徒・保護者と教職員との評価が大きく異なるのは、「基本的な生活習慣」「校則や授業規律」「生徒と保護者のコミュニケーション」というテーマについてであった。より高い理想を追求する教職員の姿勢と現状でほぼ十分という生徒・保護者の考え方とのギャップがあるのかも知れない。他方、それ以外のテーマにおいては概ね3者とも年々、より肯定的な評価になってきている。中でも、「入学して満足、学校は親しみやすくて楽しい」という内容については、生徒・保護者から高い評価を得ている。
閉校となる来年3月には「西浦を卒業して良かった。」と全員から評価されるよう、生徒・保護者・教職員3者が現在の良好な関係を保ちつつ、最後まで努力を積み重ねていかなければならない。
生徒による授業評価
【1】教科&クラス別集計(統計表)
評価項目(A1〜C1)ごとの評価平均値(=評価合計÷回答人数)を示した。
また、評価1〜4の度数分布も添えた。
No |
評価項目 |
A1 |
授業の内容に興味や関心がある。 |
A2 |
(座学用)教科書・ノート・プリントなどを授業開始時に準備できている。
(実習用)授業や実習に必要なものを授業開始時に準備できている。 |
A3 |
集中して授業を受けている。 |
A4 |
遅刻や居眠り、私語など授業を邪魔することなく、しっかりと授業を受けている。 |
A5 |
(座学用)授業で指示された課題、ノート、プリント、作品などは必ず提出している。
(実習用)授業で指示された課題や作品などは必ず提出している。 |
C1 |
この授業を受けることができて「良かった」と思う。 |
【2】教科別評価軸についての集計(グラフ)
評価項目B1〜B10における「公平感・明示・意欲付け・技術・工夫・個への対応」の
6つの評価軸に関してのレーダーチャート図を示した。
評価軸 |
No |
評価項目 |
公平感 |
B1 |
生徒に公平に接している。 |
B2 |
みんなの名前を覚えている。 |
明示 |
B3 |
成績の出し方について十分に説明してくれた。 |
B4 |
授業のポイントがよくわかる。 |
意欲 付け |
B5 |
(座学用)授業のレベル(難しさ)や授業を進めるスピードはちょうど良い。 (実習用)授業のレベルや実習を進めるスピードはちょうど良い。
|
B6 |
(座学用)うまく生徒に発言させ、やる気の出るような指導をしてくれる。
(実習用)生徒にいろいろ声をかけるなど、やる気の出るような指導をしてくれる。 |
技術 |
B7 |
声の大きさや話し方はわかりやすい。 |
B8 |
遅刻・居眠り・私語・携帯などに対して、しっかり注意している。 |
工夫 |
B9 |
(座学用)黒板への板書やプリントは分かりやすく工夫している。
(実習用)先生が実演して見せたり、説明のプリントを準備するなど、分かりやすく工夫している。 |
個への対応 |
B10 |
生徒一人ひとりの疑問や質問に答えてくれる。 |
【3】集計結果について
昨年度は、試行ということで担任がLHRの時間にまとめて全教科・科目について実施した。回答用紙を完成させるために「設問数×科目数」というやや膨大でかつ単調な作業を一時に強いた結果、「・・・・真面目な回答も、参考になる意見も少なかった。アンケートについての説明や設問・回答方法に問題があった。・・・・・・」という総括になってしまった。その反省を受けて、本年度はそれぞれの授業担当者が自身の授業中に行うという方法に変更して実施した。
集計結果については、担当クラスにおける評価が分かるように教科ごとにクラス別の集計を行った。(→【1】)さらに、各教科において評価軸の強弱バランスの確認ができるようレーダーチャートを利用した。(→【2】)
各教科についての横断的な分析を試みようと思ったが、各科目評価者の母集団が小さくて異なる上、データの信頼性(→【4】)などの理由からこれといった傾向が読めなかった。次に、全体の評価(【1】の集計5 )についてであるが、その結果のグラフからもわかるように、生徒自身の自己評価であるA1〜A5については、「A1:授業の内容に興味や関心がある。」が8割弱、それ以外は8割強が肯定的評価をしている。次に、授業に対する評価であるB1〜C1についてもほぼ同様の結果であるが、「B6:うまく生徒に発言させ、やる気の出るような指導をしてくれる。」についての肯定的評価がやや低い。【2】のレーダーチャート図については、B6の結果が影響して、「意欲付けの評価軸」が全体の中でやや弱くなっている。結論として、どの評価項目においても、すべて8割前後が肯定的評価であることから、大きな困難はないと考えられる。
今回の生徒による授業評価を受けて、「教員に対し評価結果についての逆アンケートの実施」や「自己評価報告書の作成」、さらには「アンケート自体の時期・方法・設問などの適否についての検討」などを今後、行っていく必要がある。しかし、本校は来年3月に「閉校」という特殊事情が迫っているため、時間をかけて分析し改善の方策をさぐるといった対応は残念ながら取れない。よって今後は、各教科が今回の評価結果を念頭に置きながら、授業改善に現在進行形の形で取り組んでいかざるを得ない。
【4】授業評価アンケートを終えて
実施時期としては、授業の形がある程度定着した2学期後半あたりが最適だったが、上述したように「閉校」という特殊事情があるため1学期に実施せざるを得なかった。その適切な結果に至っているか否かについては不安の残るところである。
データの信頼性をチェックするためにA1〜C1の評価項目すべてに同じ数字を書いた回答を数えた結果、「すべて4」が有効回答総数の約2割、「すべて1」、「すべて2」、「すべて3」をあわせると3割に上った。中には、12345を繰り返すといったものまであった。さらに、授業評価の目的のところで教育委員会は「授業評価は、教員が自らの授業を多様な観点から検証することで、授業の改善と授業の質の向上を図り・・・・・、教員の人格や人物の評価をするもではない。」と謳っているが、その趣旨が生徒にうまく伝わっていない側面もあった。本校においては今回が最終となるため、府立高校全体に対する今後の話になるが、生徒にとってより「魅力的な授業」「わかる授業」が実現されるよう、授業評価の実施そのものも大いに改善される必要があると考える。