上一段活用

 40年以上前、高校を卒業し、大学生までさらなる一年を要したときにその当時、古典の先生として名を馳せていた予備校の先生から教えていただいた「君にいい日」。「き、み、に、い、い、ひ」、それぞれの文字に「る」を付けたら上一段活用の動詞になる。古典の動詞の活用の覚え方として教えていただいた。(ちなみにナ行変格活用は「犬、死んでも泣(か)へん」(いぬ、しぬーナ変であった。)

 「射る」大辞泉によると                                   ―「①矢を弓につがえて放つ。②矢や弾丸を目的物に当てる。③光が強く照らす。④向けて放たれたものが対象をとらえる。」―

 出発点と着地点を表す意味が同居しているということがおもしろい。そして言葉を表す言遍と結びつくとこの言葉は「謝」という文字になり、と結びつけば「謝罪」、深く心が動くと結びつけば「感謝」になる。

 オーストラリアで勤務していた時は15:45になるとクリーナーがやってきて「早く帰ってくれないと私たちが仕事(掃除)できないので、仕事を切り上げてくれ!」とよく叱られた。"Sorry!"というと"Thank you"と言ってくれ!とよくウインクされた。

 約20年後、前前任校で教頭席のごみ箱のごみを勤務時間終了間際、当番の先生がごみを集めてくれているとき「ごめんね」を飲み込み、「ありがとう」と声をかけていたことを思い出した。心が深く動いたなら、やはり「ありがとう」の方が「心を射る」ことになるのだろう。昨日の「自己肯定感を高める」という花井先生のご講演を聞いてつらつらと昔のことを思いだし綴ってみました。

土曜授業、今週もあと半日楽しみましょう。生徒の皆さん、先生方、今日もありがとう。皆さん一人、一人にとっていい一日、「君にいい日」でありますように!