時間はたいせつに使おう  始業式式辞

 市岡高校の皆さん。このたび学校長として着任いたしました岸野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。さて、今日から皆さんと一緒に学校生活を過ごしていくわけですが、まず最初のメッセージとして「時間を大切にしよう」というテーマでお話をしてみたいと思います。

 時間は基本的には一日24時間、万人に公平に与えられています。ただし、15~17歳の皆さんと60歳の私とでは一日の長さは同じでも、残された時間全体の長さを考えると全然違います。皆さんの方が圧倒的に「お金持ち」ならぬ「時間持ち」です。でも、同じくらいの年齢であれば、生まれた環境や運命によって例外もありますが、基本的には、時間は万人に公平に与えられていると考えていいと思います。

 もう少し皆さんのことを考えます。これから70年生きるとして、皆さんは70年分の時間という膨大な資産を持っています。これをお金に換算することは難しいですが、1~2億円なんてものではありません。ただ同時に、その時間という資産は刻々と確実にゼロに向って減っていくものでもあります。何となく生きていたら(まあ、時には空を見上げてボーッとするのもいいのですが)時間通帳の残高はドンドン目減りしていくだけで、こう聞くとちょっと勿体ない気がしますよね。全員が元々生まれながらに、お金に換算したら何億何十億円という資産を持っているのに、どうしたって減る一方だというのは理不尽だと思いませんか。

 だから、時間は大切なんです。どう頑張っても減っていくものなら、ただただ失うのでは悔しすぎます。どうせだったら、何か別の減らない資産に変換しておきたいと思いませんか。都合のいいことに、時間はどんなものにでも変換させることができます。高校生の皆さんだったら、勉強して学力に変換したり、部活やって体力や健康、友人作りに変換する。その結果、希望大学への進学にも変換できる。大人になったら仕事をしてお金に変換する。また仕事を通じて信頼できる人脈に変換するのもいいでしょう。愛する人といっしょに家族に変換するのもいいと思います。

 いずれにしても、時間は私たちにとって大切なものですが、なにかに変換して初めてと意味を持つということを忘れてはいけません。時間は万人に公平な財産として与えられています。無駄にしないように使ってください。3年生には3年生の使い方があり、2年生には2年生の、1年生には1年生の使い方があります。一日中、何にもせず、時間通帳の残高だけが24時間減っていた、ということにならないよう、お互いに注意したいですね。