パート担当者による楽器紹介⑥ トロンボーン

トロンボーンと聞いてパッと浮かぶのは長いU字型の管を前後に動かして演奏するぐらいしか思いつかないかもしれませんが、 今回は隠れた魅力にあふれるトロンボーンについて紹介していこうと思います!


💠トロンボーンの成り立ち💠
トロンボーンは15世紀ごろに誕生し、イタリア語で大きなトランペットという意味を持ち、その名のとおり元々はトランペットから派生された楽器です。
金管楽器の中で初めて音階が吹けるようになった楽器で、楽器の基本的な構造はその当時から変わっていません。
16世紀になると、トロンボーンは教会の礼拝で合唱の伴奏をするための楽器として欠かせない存在になり、パイプオルガンとともに教会音楽の主役となる『神聖な楽器』として扱われました。
19世紀以降は現代のオーケストラに欠かせない楽器になっています。

💠トロンボーンの構造💠
トロンボーンはマウスピース、スライド管、ベルの3つの部分に分かれており、スライド管を手で前後に動かし位置を変え、管の長さを調節することで音程を変えることができる唯一の金管楽器です。
このスライドで音の高さを滑らかに、自由自在に変えることができます。そのため、トロンボーンにはピアノなどの楽器のようなドレミという音の境目がありません。
また、楽器に印があるわけでもないので演奏者の感覚次第で音が変わってしまいます。そのため、演奏者は正確な音のポジションを体で覚える必要があるので、コントロールするには演奏者の技術が必要な楽器でもあります。
このスライドのおかげでトロンボーンらしいビブラートや、独特のグリッサンドを表現することができます。

💠トロンボーンの魅力💠
トロンボーンのサウンドといえば、どっしりとした中低音域のサウンドが特徴的です。トロンボーンは吹いたときの音量は最大級とも言われるほど大きな音が出ます。
また、スライドをつかった面白い表現などもでき、キャラクターが多く色々な場面で活躍するオールマイティな楽器です!
さらに、柔らかく、優しく、音に厚みがあり、伸びる音色を持つことから、吹奏楽やオーケストラでは演奏全体を支え、ほんわりとして暖かみのある独特なサウンドで彩りを与えてくれます。
トロンボーンのサウンドはそれだけではなく、金管楽器らしいパワフルなサウンドも出すことができるので、かっこいい爽快なメロディーを奏でることができ、ファンファーレのかっこよさはピカイチです!
また、吹いてる姿が特別にかっこよく、スライドの動きがよく目立つトロンボーンはジャズもすごく似合います。
これを読んだあなたはもうトロンボーンを見た瞬間に虜になってしまうでしょう💖


💠トロンボーンの難しいところ💠
トロンボーンを演奏するときの難しさとしては、
・曲中、ポジションが定まらずピッチ(音程)を 正確に当てずらい
・耳と感覚と経験で正しい音程を探さなければならない
・スライドを速く動かさないと、吹きたい音以外の音がなってしまう
・アンブシュア(楽器を吹く時の口の形)が崩れやすい
・音の高さによって息のスピードを調節しなければならない
などの点があげられます。

💠練習のポイント💠
それに対しての練習のポイントとしては、
・どのポジションでも正しい音程で吹けるよう、初めはチューナー(正しい音程が取れているかを確認する道具)を見て、慣れてきたら自分の耳で練習する
・途中の音が入らないようにスライドを軽く持ち速く動かすことを意識する
・口に力を入れすぎず、リラックスした状態で吹く
・音程によってなるべく口の形を変えないことを意識する
・腹式呼吸を意識して音をちゃんと鳴らすためにしっかり息を入れる

などです。
初めはスライドで演奏するのが難しく感じるかもしれませんが練習して慣れてくれば、とても楽しくなってきます!


どうでしたか?少し長すぎたかもしれませんが、ここではまだまだ語り尽くせないほど魅力が詰まっています。

私がトロンボーンを吹いている中で一番好きな瞬間は、ソロをかっこよく吹ききったとき、コンクールでいい結果をとったときなどたくさんありますが、
特にパート練習で各個人の奏でる音が和音としてきれいにピッタリハマったとき、何にも代えがたい幸福感に包まれます。
スライドだからこそ難しく、一人一人のセンスがものを言いますが、その時の喜びはこの上ありません。
それは実際に経験してみないと味わえない感動ですので、ぜひその感動を皆さんにも体験して頂きたいです!✨

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