ケルビン発電機の製作

ケルビン発電機の製作

研究者 生野高校2年10組 M.M.

指導者 生野高校教諭 T

1. 研究動機

4月にこの発電機のことを初めて知り、水滴を落下させるだけで電気を発生させることができることに興味を持った。

2. ケルビン発電機とは

ケルビン発電機は、1859年にイギリスのケルビンによって発明された。

1のような装置に水滴を落下させることで電流が発生する。上の容器から2つのノズルへ水が流れる。流れる水は、水滴になるときに流れる水から電子を奪う、または電子を奪われる。その結果、一方の水滴は正または負に帯電する。その水滴は下の缶に落下し、蓄えられる。反対側の水滴には逆の符号の電気が帯電し、反対側の缶に蓄えられる。両方の缶に電子オルゴールをつなぐと、電流が流れ音が鳴る。

13.png  図1

3. 研究方法・結果

以前、スタンドを支柱にし製作を試みたが、絶縁が不十分であったので、アクリル板を支柱に変更した。そのほか、アルミ缶、スチール缶、銅線、プラスチックの容器など身近にあるものを使い、発電機を製作した。その装置に電子オルゴールをつなぎ鳴るかどうか調べた。

14.jpg (図2)

電子オルゴールにはプラスマイナスの極性がある。左右の缶のどちらがプラスになるか決まらない。何度も電子オルゴールをつなぎかえたが、鳴ることはなかった。電卓をつないでみたが文字盤は光らなかった。最後に、片方の缶をアースし、もう一方の缶を箔検電器につないだ。水滴が落下するにつれ、箔は徐々に開き、静電気が蓄えられることが確かめられた。

4. 考察

この発電原理について、2種類の説明がある。1つは、水がノズルを通過するときに流動帯電によって静電気が発生するというもの、もう1つは、水が水滴に分かれるときに帯電するというものである。本研究を通して、筆者は後者の説明が正しいと考えるに至った。なぜなら、水滴に分かれず落下するときには電気は発生しないからである。

当初の目的であった、電子オルゴールを鳴らすことは実現できなかった。発生する電流が少なかったと考えられる。今年度中に電子オルゴールを鳴らすことのできる発電機を完成したい。

参考文献

「ケルビン水滴発電機の教材化」脇島修(物理教育第421994)

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