7/11 探究Ⅰ選択制講演会①「平和と公正」

生野高校の探究では、今年度までの3年間、「三菱みらい育成財団」の助成を受け、様々な活動を行っています。その一環として、昨年度に続き、夏休み前の時期に「探究Ⅰ選択制講演会」を行いました。

講演会のトップバッターとして講師を務めて下さったのは、シリア支援団体Piece of Syria 代表の、中野貴行さん。中野さんには、昨年度も、ケニアからオンラインで「平和と公正」についてのお話をいただきましたが、今年度は奇跡的なタイミングで日本に帰国されていて、対面での講演が実現しました。

まずは自己紹介。100人規模のサプライズ誕生パーティーや、奥さまとの結婚式について、写真を交えて軽妙に語る中野さんは、ご本人がおっしゃるように、まさに「楽しいことが大好き」なお兄さん。そんな中野さんが、まだ平和だったシリアのようすや、そこで出会った人々との交流について語るお話からは、私たちがふだん抱いている「危険で怖いシリア」の印象とは真逆の、美しい自然とおいしい食事、そして底抜けに親切な人々がいる国としてのシリアがイメージされます。

しかし、2011年、そんなシリアで戦争が起こります。爆撃された町のようすや、処刑場となった学校、そして多くの友人が難民になってしまったこと......中野さんが訪れた平和なシリアとの落差に、ショックを受ける生徒たち。

そして、そんな戦争について、中野さんは「原因はわからない」と明言します。中野さんは、シリアの戦争について、現地の人たちの認識とメディアで語られていることにギャップがあることを示し、世界の複雑性や解釈多様性を前提に、「信じるな、疑え、確かめろ」と語ります。報道の自由度が低いと言われている日本において、自分の頭で考えることの重要性を繰り返し強調する中野さんの言葉を聞くと、簡単に「答え」を出して、そこで思考を止めてしまうことの危険を、改めて意識しなくては、と思わされます。

最後に質疑の時間をとり、講演は終了しました。終了後も、個別質問をする生徒や、アラビア語で自分の名前を書いていただいた生徒もいて、中野さんには時間いっぱいまでお付き合いいただきました。

中野さん、ありがとうございました!

IMG_7028.jpg

カレンダー

2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30