7/11 探究Ⅰ選択制講演会②「健康と福祉(1)」

講演②では、HPVワクチン啓発団体 Vcan代表の石本樹生さんと、メンバーの清田倫太郎さんにお話しいただきました。お二方はいずれも現役の医学部生の方で、HPVワクチンについての学生団体を立ち上げ、啓発のために活動なさっています。HPVワクチンは、2009 年に国内で承認され、2013 年に一度は積極的な接種が呼びかけられたものの、その後すぐ、国が「積極的な呼びかけはしない」と方針を変更し、現在も認知度が高いとはいえないワクチンです。

冒頭、清田さんからは「僕たちはワクチン接種を推奨しているのではなく、皆さんに自分で判断していただきたくてこういった活動をしています」との言葉があり、その後、前半は清田さん、後半は石本さんから、HPVウイルスは男女問わず感染するおそれのあるものだということや、そのリスク、ワクチンの効果などについて説明がありました。

お話の途中には、簡単なクイズや自分で考える場面もあり、生徒たちは学んだ知識を確認しながら、より深く考えることができました。特に、「リスクを伴う治療」について、自分が医療者であればどう判断するか、ということや、「よりよい医療」のために医療者や患者ができることは何か、などについて、自分で書いたり発表したりする場面では、医療に関する意思決定には、決して「明確な答え」などないのだということを、改めて意識させられました。

個人的に印象深かったのは、「情報の信頼度」についてのお話です。石本さんは、講演中、「テレビで専門家が発言している内容の信頼度はどれくらいだと思う?」と問いかけたあと、「専門家の話」は、学問的な信頼度はごく低いと言い、さらにそのあと、「ちなみに今日ぼくたちが話していることは、それよりもっと信頼度が低いので、鵜呑みにしないでくださいね」とおっしゃっていましたが、医学部生として、研究と実践のはざまで日々研鑽されているからこそ、こういったことをしっかりと自分の言葉で発言できるのだろうと思います。実は、ひとつ前の講演でも講師の方から「信じるな、疑え、確かめろ」というメッセージがあり、その点で通じるものを感じました。

お話の後には質疑の時間があり、さらに、終了後も、生徒は石本さんや清田さんにいろいろ質問していました。

石本さん、清田さん、ありがとうございました!

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