人権講演会 水谷修氏

6月23日 (金)、夜回り先生こと水谷修氏から全校生徒と教員に講演をしていただきました。

『私は、あなたたちとは、別世界の人間です。私は、夜の世界に生きる人間です』

水谷先生は、定時制高校に赴任になって以来27年間、夜の街に自ら出て、居場所のない少年少女に声をかけ、夜の世界から昼の世界へ、たくさんの子どもたちを返してきた先生です。ですから「夜回り先生」と呼ばれています。

「お前たちは・・ 先生は・・」 と先生らしい生の言葉に生徒も、教員も、保護者も引き込まれていきます。登場人物の懸命に生きてきた想いと、それを今生きている子どもたちに伝えなければならないという水谷先生の思いが会場全体を包み込みます。

 シンナーで死んでしまった少年マサフミの話をされました。水谷先生の家に泊まり込んでいると止められるシンナー。でも、この少年が仲間のもとに戻るとまた吸ってしまう。こんな繰り返し中で、水谷先生もこの少年のことが許せなくなった一瞬があったそうです。少年は、シンナーは依存症だから 「病院に連れ行ってほしい。」と言ったそうです。水谷先生からすれば、親身になって、ともに暮らしながら治そうとしているのに、愛情を持って接すれば必ず治せるはずなのに、マサフミは水谷先生の気持ちも知らずに、病院に連れて行けと言ったのです。そこで来週にでも病院に連れてやると言ったそうです。少年は無邪気に「今日、病院に行こうよ。」と言ったのですが、水谷先生は、嘘を言ってそれを断ったのでした。少年は走り去り、遠くから「水谷先生、今日、つめて~ぞ!」と声がしたそうです。それは、水谷先生が聞いた最後のマサフミの言葉になってしまいます。少年は水谷先生のところから離れ、最後の1回と決めたお別れシンナーを吸ってしまったのです。幻聴・幻覚の中、少年はトラックに飛び込んだそうです。駆けつけた病院で、無残な亡骸を少年の母親に見せるために修復したそうです。これが一度目の死。そして、火葬場でお骨を拾おうとしましたが、シンナーを数年間吸い続けていたため、骨がもろく形を成していないのです。灰しか残っていない少年の「骨」を母親と骨壺に入れるときに味わった二度目の死。                                              「シンナーが憎い。うちの子を2回殺した。1度目は命、2度目は体。」                  母親はそう言ったそうです。水谷先生は「(少年を)2回殺してしまった。」と痛感したしたそうです。

 少年マサフミが亡くなってから水谷先生は、連れて行く約束をしていた病院を、訪ねました。

医師に 「あんたが殺した。病気(依存症)を愛の力で直そうとしたが、それは専門家が直すもの」

と言われ、それから水谷先生と薬物の戦いが始まったそうです。

 リストカットの少女、暴走族の少年、エイズになってしまった少女、沖縄戦、そして東日本大震災の大津波から教え子を守ろうとした若き教師・・・。

 悪いやつに誘われた時の危険回避方法も教えてくださいました。

① 話題を変える

② 「お母さんが怒るから」を繰り返す

③ 3D作戦「だって・・・」「でも・・・」「どうして・・・」を言い続ける

④ そして、明るく、人がいる方向に逃げる

 アッと言う間の1時間半でした。心に突き刺さるエピソードをたくさん聞かせてもらいました。この重い話を自分の教訓にできるか、夜回り先生は今日も日本のどこかの夜町を歩いておられるはずです。

    

      

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