言いたかった一言、言えなかった一言

 4月4週め週末。いよいよGWが始まる。GWが明けるとあっという間に夏の香りが駆け足でやってくる。始業式でも話したように、今年は少しでも生徒のみなさんと話ができる機会を逃さないよう、昨年度のいろんな出来事や写真を見ながら予習をして生徒玄関に立ち、勇気を出して声をかけている。

 部活動で新たなステージをめざす人、国際交流で新たな視座を得た人、生徒会活動で力を尽くす人、中身は様々だが登校風景の中で、友人との会話が止んだときや一人で登校しているときなどを見かけたときに声をかける。

 今日は、昨年見せてくれた素晴らしいパフォーマンスについてお礼を言えた。一つの動きで場の空気を瞬間に捉え、エネルギーを爆発させる。その姿に力をもらえたことをお伝えした。

 いよいよチャイムが鳴るのではという時間帯。いつものメンバーが左側から息せき切りながら走ってくるのを待ち構えていた。「ありがとうございました。」右側からの声。戸惑いながら「な、何の件?」思わず尋ねる。「チャリ、チャリです。」ありったけの笑顔を携えて、もう一度「ありがとうございました。」さわやかに扉をくぐっていきました。

 ぎりぎりに滑り込み、駆け下り、置いた自転車が倒れてしまった。立て直す時間はないと見た。「自転車は立てておくから...。」と私。うなずいて走る彼。その時の一言が一日遅れの「ありがとう」

 言い残したことがないように、一日一回しかない朝の貴重な時間。

 しっかり予習して一言を届けたい。

まだ、48週ある。(3年生でも40週以上ある)。