始業式で話したこと

 4月8日始業式が行われました。全校生徒と初めて対面する日です。今年度から0時限目が設定されて朝の読書が1・2年生を中心に開始されます。そこで始業式の式辞で読書の話をしました。以下は、始業式に話した内容をベースに言い足りなかった点を加えたものです。

 本年度から市岡高校では1・2年生を中心に朝の読書が始まります。そこで今日は朝読について話をしたいと思います。といっても、私は高校時代にクラブ漬けの生活とほんの少しの勉強しかしていなかったので、君たちに偉そうなことは言えません。それに読書をしなかったことで恥ずかしい思いもしまいた。高校時代に朝読の機会が設けられるのはうらやましく思います。

 今日は、3冊の本を紹介したいと思います。

 最初に紹介するのは、藤原和博さんの「藤原和博の必ず食える1%の人になる方法」という本です。藤原さんは、民間のリクルート社から東京の杉並区の和田中の校長になられました。そこで「よのなか科」の授業など様々な実践をされた方です。藤原さんは、この本の中で1%、100人の中で1人になる方法を書いておられますが、それぞれのめざす4つのタイプも示されています。その4つのタイプとは、A:社長タイプ B:自営業タイプ C:公務員タイプ D:研究者タイプです。この4つのタイプで1%になる方法を書いておられるのですが、この4つのタイプの前に共通する3つの問いがあるのです。それぞれ、やるかやらないか確率は1/2、質問は3つのですので1/2×1/2×1/2=1/8になります。12.5%、ほぼ10人の中の1人になれるかどうかということです。

 最初の問いは「パチンコをするか、しないか」。おそらく、対象を大学生以上にしていますのでこのような問いになっているのだと思います。2番目の問いは「ケータイゲームを電車の中で日常的にするか、しないか」です。これは高校生にも当てはまる問いです。この二つの問いは、こんな意図から設定されています。「自分の1日の時間、24時間をきちんとマネジメントできていますか?」ということです。平日の朝からパチンコ店に並んでいる人や電車のなかでケータイゲームに没頭する人は、ほんとに時間を有効利用しているのだろうか・・・、という藤原さんの問題提起です。そして3番目の問いは、「本を月に1冊以上読むか、読まないか」です。自分の時間をマネジメントして得た時間を読書に投資すべきだと、藤原さんは主張します。やはり、社会人の基本は読書にあるのです。読書をして教養を身に着けなければなりません。しっかりと朝読をがんばって、まずは活字になれる、本の世界になれる、そして本の世界にのめりこむようになってください。

 何を読んでいいかわからない人に2冊の本を紹介します。最初は塩野七生さんの「ローマ人の物語」です。塩野さんは、日本を離れイタリア・ローマに住んでおられます。海外から見た日本のありようを鋭く問題提起されています。この「ローマ人の物語」は1000年続いたローマ帝国がどのように発展し、そして衰退していったのかを文庫本版全43巻で書いておられます。非常に長いですが、この本からは西欧というものの文化がどのように形成されていったかが読み取れます。また、ローマ帝国という言葉から何か「戦争と征服」という感じを受けてしまいますが、ローマ帝国が発展したのは、きちんと征服地の文化を認め、自治を認めてきたからであるということもよくわかります。衰退期においては、ローマの指導者はコロコロと変わります。人材を無駄使いしているのです。この本は、世界史の勉強にも非常に役立つと思うので3年生のみなさんも受験勉強の合間に読んでみてはどうでしょうか。

 次に紹介するのは、司馬遼太郎さんの「街道を行く」です。これも長い文庫本です。しかし、紀行文なので興味のあるところ、どこからでも読むことができます。この本は、日本、アジア、そしてその両者の関係を知るのにとても役立ちます。両方の本ともビジネスマンの教養として紹介されている本ですから、高校生のうちから手に取ることも決して無駄にはなりません。逆に将来の宝となる本だと思います。興味があれば読んでみてください。

以上で私の話は終わります。