70期生入学式

 本日4月3日14時より70期生入学式が挙行されました。市岡高校の入学式は、全員呼名をします。壇上で、1年1組1番から呼名され、返事をして起立をする様子を見ていました。返事をする、起立をする、そして座る、とても単純な動作です。しかし、その中に、一人一人の個性が現れてきます。壇上一人一人の様子を見ていて、70期生がどんな高校生活を送るか、とても楽しみに感じていました。あなたたちの高校時代に幸あれ!

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以下、入学式の式辞を掲載します。

 

 春うららかな今日この日に、多くのご来賓と保護者の皆様のご臨席のもと、平成27年度市岡高等学校全日制課程入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、この上ない喜びであり、心から感謝申し上げます。

 

 ただ今、入学を許可いたしました、320名の新入生のみなさん、入学おめでとう。みなさんの入学を心から歓迎いたします。みなさんは高校入試という人生最初の試練を見事に克服し、晴れて今日この日を迎えたわけであります。この喜びは、みなさんの堅実な努力の賜であることは、言うまでもありません。これからの長い人生において、今日は、心に残る1ページになると思います。

 

 さて、本校は、1901年に大阪府第七中学校として開校された創立114年を迎える歴史と伝統を誇る学校であります。この永きにわたる歴史において、一貫して受け継がれてきたものは、「自彊の精神」であります。「自彊の精神」とは「志や夢に向かって、自らが自分自身を励まし、奮い立たせ、努力することを怠らない」ということです。この「自彊の精神」に則り、君たちに伝えたいことがあります。それは、「学べ!学べ!さらに学べ!」です。この三つの「学び」についてお話します。

 

 一つ目の学びです。それは、言うまでもない「学問の学び」です。学校は学習の場です。人類が長い時間をかけて積み上げてきた英知を学び、引き継ぐ場です。高校の授業で学ぶ内容は、今後の人生の基礎教養となる内容です。「なぜ、このようなことを学ぶのだろうか?」「これは、世の中の役に立っているのだろうか?」とあなたたちは、思う時があるかもしれません。しかし、学問の体系も未だ修得せず、世の中のなんたるかも経験していないあなたたちに、学問の必要性を云々する事はできません。ひたすらに学問を学びなさない。

高校で3年間に学ぶ学習の量は、中学校で学ぶ量の数倍あると言われています。もし、中学校時代に、与えられたことだけを勉強する方法で学習していたなら、あなたたちはすぐ高校での「学びの壁」にぶつかるでしょう。高校での学びは、自ら主体的に学ばなければ修得できません。貪欲に学ばなければなりません。

本校は、単位制のシステムを導入している学校です。単位制という言葉から連想されるのは、「選択」という言葉です。取捨選択、必要な授業は選択するが、そうでないものは選択しないという事を想像しがちです。しかし、それは間違っています。単位制の学びとは、貪欲に学ぶことができる、幅広い学習ができるという事です。

先生方は、あなたたちの卒業後の進路が実現できるように、「質の高い授業」を提供する準備をされています。レベルの高い、そして興味深い、授業を準備されています。「授業で鍛える」それが私たちの合言葉です。

 

二つ目の学びです。それは「本から学ぶ」ことです。若者の活字離れが叫ばれて久しいですが、最近は大人も読書から離れています。通勤電車の中では、携帯電話でゲームに興じる大人の姿をよく見かけます。嘆かわしい事です。読書は、学問の学びと同様に、あなたたちの人生を豊かにします。人格を豊かにします。個性を伸ばします。本の世界は無限です。いろいろな世界にあなた達をいざなってくれます。今の若者たちは、携帯電話やゲームに興じる時間が異常に長いと言われています。機械の奴隷になってはいけません。機械に拘束されてはいけません。無駄に時間を過ごしてはいけません。携帯電話に向かう時間があるなら、本を読みなさい。本から学びなさい。それがあなたたちにどれだけ多くの宝物をもたらすか、3年後、5年後、10年後に実感できると思います。

 

三つ目の学びです。それは「生き様から学ぶ」ことです。人の生き方から「自分は、どのように人生を歩んでいくのか」を考えてほしいと思います。高校時代の選択は、その後の人生を大きく左右します。「自分は、どのようなフィールドで人生を歩んでいくのか」「自分は、何に向いているのか」「いったい自分は何をしたいのか」、そんな答えを見つける時代が、高校時代です。この答えは、すぐには見つかりません。そして一人で悩んでいても見つかりにくいのです。多くの人の話を聞き、刺激をうけ、そして人と話をすることで、自分の中で答えが芽生えます。そして、やがて確信に育つのです。親・兄弟・先生はもちろんのこと、友人・先輩たちの生き様を学んでください。そして、市岡高校は110年を超える伝統校です。数えきれないほどの多くの優れた人材を輩出した学校です。君たちのあゆむ人生を示唆してくれる多くの先輩方がおられます。こんな素晴らしい環境はありません。自分の殻に閉じこもらず、人と豊かな関係を結ぶことで生き様を学んでほしいと思います。

 

ご列席いただいています保護者の皆様、お子様のご入学、心からお祝い申し上げます。今日まで、いろいろなご苦労があったかと存じますが、これでひとまずご安心されたものと思います。私ども教職員は、本日入学したお子様への指導に、渾身の努力を惜しまないことをお誓い申し上げます。高等学校の3年間は、「親離れ」「子離れ」の時期であります。わが子を自立させる時期です。今までは暖かく抱きしめ、両手で包み込んだ子育てをされてきたと思います。これからは、親の「生き様」を子どもに見せる、「背中で育てること」「子離れ・親離れすること」が大事になります。どうか、保護者の皆様におかれましては、本校の教育方針をご理解いただいた上で、ご協力ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

最後に、本日入学した70期生320名が、互いに切磋琢磨し、互いに鍛え上げて、大きく成長する集団となる事を願って、私の式辞といたします。

 

平成27年4月3日

大阪府立市岡高等学校

校長 上野 佳哉

 

 

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